夏祭りの「射的」で、景品の棚に「Nintendo Switch」が! 合計“2000円”近く使ったけど、あとから店主に「箱を飾ってるだけ」と言われショック…これって詐欺じゃないの?

配信日: 2025.08.16 更新日: 2025.09.26
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夏祭りの「射的」で、景品の棚に「Nintendo Switch」が! 合計“2000円”近く使ったけど、あとから店主に「箱を飾ってるだけ」と言われショック…これって詐欺じゃないの?
夏祭りや縁日の屋台で楽しめる、人気の遊びの1つに「射的」があります。棚に並んだ豪華な商品を見て「あのフィギュアが欲しい」「あの新しいゲーム機が欲しい」と、目をキラキラさせて夢中で挑戦する子どもたちを目にしたことがある人もいるでしょう。
 
しかし、屋台によっては、射的の棚に並んでいる商品のすべてが「実際の景品」ではなく、「飾ってあるだけ」というケースもあるようです。このように、実際には射的の景品ではないのに、景品のように勘違いさせるような陳列方法は法律上問題ないのでしょうか。
 
本記事では、祭りの屋台の「射的」での景品に関わるトラブルついて解説していきます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

「意図的な誤認誘導」が認められるかどうかがポイント

刑法第246条では、「人を欺いて財物を交付させた者」は詐欺罪に問われると規定されています。つまり売り主が買い主に対して誤解させるような説明や表示を行い、代金を支払わせた場合、詐欺罪となる可能性があります。
 
本ケースの射的の場合、景品の棚に並んでいるものは客側からすれば「当たればもらえる」と考えるのが自然でしょう。それに対して店側が何の説明もせず、客が「勘違いするだろう」という状況を作り出していることは「意図的な誤認誘導」につながります。
 
このように、店が客の誤認を誘って金銭を支払わせているという構図が明確であれば、詐欺罪に該当するリスクが高くなるのです。
 

景品表示法違反にあたる可能性も否定できない

消費者庁でも「景品表示法」で、消費者に実際の商品よりも優れていると誤解を与えるような表示、「優良誤認表示」を禁じています。例えば、国産の牛肉と表示しているのに実際は輸入肉である、また「金賞受賞」のステッカーが貼ってあるのに実際は受賞歴がない、といったケースがこれに該当します。
 
本ケースのように、実際にはもらえないにもかかわらず、あたかも射的の景品であるかのように高額商品を陳列している場合、優良誤認表示に該当する可能性が出てきます。
 
お祭りの屋台のように「一時的な出店」であっても、規制の対象外になるわけではありません。営利目的で同じような行為を繰り返し行えば、「意図的な表示である」とされ、法的な規制を受ける可能性が高くなるでしょう。
 

射的で後悔しないために注意しておきたいポイント

お祭りや縁日では、独特な雰囲気と高揚感があり、大人も子どもも財布のひもが緩くなってしまうものです。しかし、せっかくのお祭りで悲しい思いをすることがないよう、ポイントを押さえてトラブルを避けるようにしましょう。
 
まず、射的で気になる景品がある場合には、「当たったらもらえるのか」を確認します。明確な回答が得られない場合や、曖昧な返事が返ってくる場合は注意が必要です。
 
また、あらかじめ屋台で使う予算を決めておくことも大切です。目当ての景品がどうしても欲しいものだったり、「惜しい」状況が続いたりすると、ついつい何回もチャレンジしたくなるものです。
 
もちろん「射的をして楽しかった」という思い出は残りますが、高額なお金を払って何ももらえずに終わるという場合も考えられます。何も得られなくとも「楽しめた」と自分が思える程度に、予算を決めておくようにするのがいいでしょう。
 

夏祭りは予算を決めて楽しい思い出を

夏祭りは、地域や地域の人のつながりを深めたり、家族との楽しい思い出を作ったりできる貴重な機会です。しかし、悪質な業者が屋台を出していると、「いいカモ」にされてしまう場合もあります。
 
「祭りの屋台あるある」と考える人もいるかもしれませんが、屋台であっても詐欺罪や景品表示法違反になる可能性は十分考えられます。客側も「もしかしたら詐欺の可能性があるかも」という考えを念頭において、祭りの雰囲気と高揚感に流されすぎず、お祭りを楽しめるといいですね。
 

出典

e-Gov法令検索 刑法
消費者庁 景品表示法
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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