映画「月3本」しか観なくても、動画サブスクで“赤字”にならない!?「Netflix890円」「Prime Video600円」の損益ラインを試算してみた
世界における会員数はそれぞれ億を超えており、NetflixやPrime Videoなどの動画配信サービスが世界中に浸透していることがわかります。国内でみても、例えば、広告つきプランで月額890円から利用可能なNetflixにおいては、日本国内の会員数が1000万世帯を超えています。
しかし、手軽に映画やドラマが楽しめる一方で、「あまり観ていないのに料金だけ払っている」という人にとっては、サブスク疲れの原因にもなりかねません。
では実際、どれくらい視聴すればサブスクの元は取れるのでしょうか。TSUTAYAのレンタル料金と比較した損益分岐点や、見放題サービスならではの「金額以外の価値」、さらに陥りがちな落とし穴まで解説していきます。
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損益分岐点は「映画3本」
Netflixの広告つきスタンダードプランは、月額890円、AmazonのPrime Videoは月額600円。これでサービス内で国内外の映画・ドラマ・アニメなどが見放題になります。では、この料金をTSUTAYAなどのレンタル価格と比べてみるとどうでしょうか。
新作DVDのレンタル料金は店舗によって異なりますが、1本あたり約400円(1泊2日の場合)が相場です。つまり動画配信サービスで映画を3本観れば、1本あたり約200円~300円程度円になり、レンタルよりも割安です。2本しか観なければ、1本あたり約300円~450円とお得感は少なくなり、映画を1本しか観ない月は損といえるでしょう。
TSUTAYAレンタルと比較して動画配信サービスで確実に得をするには、月に最低でも3本以上は観ることが条件となります。1週間に1本のペースを保てるかどうかが分かれ道になりそうです。
見放題の強みは「価格」より「自由度」
ただし、動画配信サービスの価値は単純な金額比較だけでは語れません。レンタルでは返却期限がありますが、見放題サービスにはそれがありません。好きな時間に、好きな場所で、好きなだけ観られる。これは多忙な人にとっては大きなメリットです。
また、見放題だからこそ「ちょっと気になる作品」や「昔の名作」にも気軽に手が伸ばせます。興味はあるけれど、その作品のためにお金を払うかどうかは迷う。そんな作品との偶然の出会いがあるのも、サブスクならではの魅力です。
映画館やレンタルにはない、迷ったらとりあえず再生ができて、つまらなければすぐに別の作品に切り替えられる点も、見放題サービスの大きな利点といえるでしょう。
「観なきゃ損」の心理に要注意
とはいえ、見放題という言葉には落とし穴もあります。それは「払っているから観ないと損」という心理が働き、本来は観たくないものまで義務的に消化してしまう“視聴疲れ”に陥ってしまうことです。
また、月々の単価が少額なサブスク契約は、契約していることを忘れていたり、解約のタイミングを逃してズルズル継続したりと、冷静な判断ができなくなることも少なくありません。定期的に「いま自分にとって必要なサービスか?」を見直すことが、賢いサブスク利用の第一歩です。
サブスクを上手に活用する鍵は生活に馴染んでいるかどうか
サブスクの動画配信サービスは、映画であれば月に3本以上観ることで、基本的にレンタルよりお得になります。ただし、そこに縛られる必要はありません。サブスクの本当の価値は、コンテンツの量や価格だけではなく自分の生活にフィットするかどうかであり、忙しい毎日の中で、自分にとって無理なく楽しめるスタイルがあるかどうかがポイントです。
月に1本しか観ていなくても、観たいときに、どこでもボタン1つで観たい映画が観られることで生活が豊かになっているのであれば十分に価値があるといえます。サブスクの落とし穴には注意しつつ、生活を豊かにするピースとして、サブスクの動画配信サービスを賢く活用しましょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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