「夏休みの読書感想文? メルカリで買ったよ」というママ友。「子どものためにならない」と思うのですが、宿題代行って“正当なサービス”ですか? 学校にバレたらどうなるのでしょうか?
本記事では宿題代行サービスとはどのようなものなのかや誰がどんな理由で頼んでいるのか、また学校にバレるのかどうかについて解説します。
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宿題代行サービスとは?
宿題代行サービスとは、名前からわかるように子どもの宿題を代わりにやってくれるサービスのことです。お金を支払えば計算ドリルや漢字ドリルなどのワークから、絵日記、ポスター、読書感想文などありとあらゆる宿題を代行してくれます。
料金は業者によって異なりますが、小学生の読書感想文であれば1文字5円~、400文字で3000円~4000円となっています。ワークなどの問題であれば1問につき60円~200円、ポスター制作は1枚1万5000円~2万5000円です。
「宿題は自分のためにやるもの」と考えている人にとって、宿題代行サービスは意味のない行為だと感じられることでしょう。
しかし現実には、学校から出される宿題が多すぎるために負担に感じているケースや部活動や塾が忙しく宿題をやる時間がない、ポスター制作や読書感想文などにかかる時間を省いて受験勉強に専念したいなどの理由から、宿題代行サービスを利用する人がいるようです。
なかには、家族との時間を作るために親が使うケースもあるというから驚きです。宿題に頭を悩ませているのは、実は子どもたちだけではありません。子どもの宿題の進み具合を気にかけたり、「どこまでサポートするべき?」と悩んだりする親のなかには、宿題は外注して受験や遊びに専念させようと考える人もいるのです。
文部科学省とフリマアプリが「代行禁止」を合意したが排除は困難
宿題代行サービスの種類は、事業として業者がおこなっているものから、個人でアプリを通して依頼を受けるものまでさまざまです。これまでもフリマアプリで読書感想文や自由研究が取引されており、問題視されてきました。
そこで、平成30年に文部科学省とフリマアプリのメルカリ、ラクマ、ヤフオク!は、「宿題代行に関する役務の提供」および「宿題の完成品の売買」について禁止すると合意しました。
しかし、こうした合意にもかかわらず、現在もフリマアプリでは読書感想文や自由研究のネタ例や書き写すだけの例文などの出品があります。ネットで「宿題代行」と検索すれば代行サービス会社のサイトがいくつもヒットし、ほとんど野放しの状態です。法律で規制しないかぎり宿題代行を排除するのは困難でしょう。
宿題代行サービスは学校にバレる?
業者によっては筆跡を子どもに合わせる、程よく間違えるなどバレないように細工するところもあるようですが、学校にバレる可能性はゼロではありません。宿題代行を規制する法律はなく、宿題代行サービスは違法ではありません。
しかし、学校の校則に違反する可能性があるため、バレた場合は生徒への指導が入ることが想定されます。学校や教師との信頼関係が崩れるリスクもありますので、今後の学校生活を考慮するなら、宿題代行の利用は避けるほうが賢明です。
宿題代行は違法ではないがおすすめしない
宿題は自分でやるものが当たり前という人にとって、ワークやポスター制作、読書感想文などの宿題を代行してもらえるサービスには抵抗があるかもしれません。しかし現実には、宿題の負担を軽減して家族の時間や遊び、受験勉強に費やしたいなどさまざまな理由から利用する人もいます。
今回解説したとおり、宿題代行は違法ではありませんが、おすすめはできません。学校が宿題を出すのは、子どもの学力向上や学習習慣をつけることが目的だからです。本人に代わって宿題を行うサービスは本来の宿題の意味に大きく反していると言えるでしょう。
宿題の量が多くて負担になっている、放置してしまい期日に間に合わないなどトラブルが生じた場合は、宿題代行を利用して取り繕うのではなく学校に相談してみる、素直に謝り期日を延ばしてもらうように交渉するなど、子ども自身に乗り越えさせることも1つの学習なのではないでしょうか。
出典
文部科学省 「宿題代行」への対応について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
