未だに「現金払いのみ可」の飲食店が多い…。店舗にQRコードやクレカ決済を導入しない理由は何でしょうか?
この記事では、その裏にある経営者ならではの事情について解説します。
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なぜ未だに現金払いのみの飲食店が多いのか? 導入しない主な理由とは
日本の飲食店では、まだ「現金払いのみ可」という店舗が根強く存在します。その理由は多岐にわたりますが、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
●導入にかかるコストの問題
●運用面での負担
●顧客層の根強い現金主義
キャッシュレス決済を導入するためには、決済端末の設置費用や月額利用料、決済手数料などがかかります。特に小規模な飲食店では、コストを負担する余裕がないケースが多く、経営の圧迫を懸念する声も少なくありません。
次に、運用面での負担もあります。キャッシュレス決済の操作や管理は慣れていない経営者やスタッフにとって負担になることがあります。特に現金での会計に慣れている店舗では、新しい決済方法の運用に時間や労力がかかり、それが導入のハードルとなっています。
さらに、顧客層の現金利用が根強く残っていることも要因のひとつです。特に高齢者は現金払いが主流であり、QRコードやクレジットカード決済を積極的に求める声が少ない傾向にあるため、経営者も導入に消極的になるケースがあります。
このような背景から、現金払いのみの店舗が依然として多く存在していると考えられます。
飲食店がキャッシュレス決済を導入するとどんなメリットがあるのか?
一方で、キャッシュレス決済を導入することには多くのメリットがあります。
●会計がスムーズになる
●感染症対策にもなり衛生的
●訪日外国人観光客にも好まれる
まず、会計がスムーズになるため、店舗の回転率が向上します。特にランチタイムやピーク時には会計にかかる時間が短縮され、より多くの顧客に対応できるようになります。
さらに、キャッシュレス化は衛生面でのメリットも大きいです。現金の受け渡しによる接触を減らせることで、感染症対策としても有効です。また、キャッシュレス決済は多くの現金を持たない外国人観光客を呼び込みやすいという側面もあります。
加えて、決済履歴が自動で記録されるため、売上管理が簡単になり経理の効率化にも有効です。これにより、経営の見える化が進み、経営判断の質も向上する可能性があります。
最新データから見るキャッシュレス決済比率
経済産業省の調査によると、2024年におけるキャッシュレス決済比率は42.8%に達しています。決済の種類は次の通りです(カッコ内はキャッシュレス内の割合)。
●クレジットカード(82.9%)
●コード決済(9.6%)
●電子マネー(4.4%)
●デビットカード(3.1%)
この数値は店舗の規模や地域によって異なり、小規模・個人経営の店舗ではまだ現金のみというケースも多く見られます。
まとめ
現金払いのみの飲食店が未だに多い背景には、導入コストや運用負担、顧客層の現金志向など複合的な理由が存在します。しかし一方で、キャッシュレス決済は業務効率化や顧客満足度向上、集客力アップなど多くのメリットがあります。
キャッシュレス決済比率は上昇傾向にあり、消費者のニーズもキャッシュレス決済を求めている傾向です。この流れを踏まえ、多くの飲食店が計画的に導入を進め、運用面の工夫や教育を充実させることで、現金依存からの脱却が進むと期待されます。
出典
経済産業省 2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
