「1964年発行の100円玉」を収集する祖父。“東京オリンピックの年”ですが、なぜ記念硬貨でなく「普通の硬貨」を集めるのでしょうか?“発行枚数・希少性”を解説

配信日: 2025.08.23 更新日: 2025.09.26
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「1964年発行の100円玉」を収集する祖父。“東京オリンピックの年”ですが、なぜ記念硬貨でなく「普通の硬貨」を集めるのでしょうか?“発行枚数・希少性”を解説
1964年といえば、東京オリンピックが開催された年であり、日本が高度経済成長期の真っただ中にあった時代です。この年には、オリンピック開催を記念した100円の記念硬貨が発行されました。
 
一方で、1964年には日常の買い物などで使用されていた、通常の「稲穂デザイン」の100円硬貨も発行されています。
 
記念硬貨と通常の硬貨では一見、記念硬貨のほうが人気は高そうですが、通常の100円硬貨のほうばかりを集めていると聞くと、「なぜ記念硬貨じゃなくて通常硬貨なのだろう」と疑問に感じてしまいます。
 
本記事では、記念硬貨よりも、同じ1964年に発行された通常の100円硬貨を集める理由について考察します。
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1964年発行の100円硬貨には2種類ある

まず押さえておきたいのは、1964年に発行された100円硬貨には以下の2種類があるという点です。
 
1. 東京オリンピック記念100円硬貨
→表にオリンピックマークが描かれた特別デザイン。記念貨幣として発行。
 
2. 通常の100円硬貨(稲穂デザイン)
→通常流通用。表に稲穂、裏に日本国・100と刻印された一般的な硬貨。
 

1964年は記念硬貨のほうが多く発行されていた

記念硬貨と聞くと、「数量が限られていて希少」というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、1964年の東京オリンピック記念100円硬貨の発行枚数は約8000万枚にのぼります。これは記念硬貨としては非常に多い発行枚数であり、市中に広く流通しました。
 
一方で、同年に発行された通常の100円硬貨(稲穂デザイン)の発行枚数は約1000万枚にとどまります。つまり、記念硬貨の8分の1程度しか発行されておらず、実はこの普通の100円硬貨のほうが希少性は高いのです。
 
このような事情を踏まえると、「記念ではなく通常の硬貨」を集める人がいるのも不思議ではありません。
 

通常の1964年100円硬貨を集める理由

本記事のように、1964年発行の東京オリンピック記念硬貨ではなく、通常の100円硬貨を集めるのにはいくつかの理由が考えられます。
 
まず、前述したように希少性の観点です。昔発行された、より希少な硬貨を集めたいという人も多いでしょう。実際、現在の価値に換算しても、1964年発行の100円硬貨については、記念硬貨よりも通常の100円硬貨のほうが高値になる場合が多い傾向にあります。
 
また、「昭和の思い出を残したい」「自分が子どものころに使っていた硬貨を手元に置いておきたい」といったノスタルジックな感覚から集めている人もいるかもしれません。
 

価値が上がりやすい硬貨の特徴とは?

1964年発行に限らず、一般的に以下のような条件を満たす硬貨に対してプレミア価格が付く傾向があります。

●発行枚数が少ないもの
●未使用やプルーフ仕様(鏡面加工)など、状態が極めて良いもの
●刻印ミスや穴ズレなどのエラーコイン
●適切に保管されていて、変色や摩耗が少ないもの

今回、祖父が保管している1964年の通常100円硬貨も、こうした条件を満たすものであれば、数千円から数万円で売買される可能性もあります。ただし、一般的な使用済みのものは、希少でもそこまでの高値にはならないケースが多い点には留意が必要です。
 

まとめ

1964年発行の100円硬貨といえば東京オリンピック記念硬貨もありますが、実は通常の流通用100円硬貨のほうが高い価値を見出されている場合も多々あります。
 
発行枚数の少なさやノスタルジー、将来的な希少価値の可能性など、集める理由は人それぞれです。
 
普通の硬貨でも、時代背景や流通数によっては、記念硬貨以上の存在感を放つことがあると考えると、身の回りの古い硬貨に対する見方が少し変わるかもしれませんね。
 

出典

独立行政法人 造幣局 記念貨幣一覧
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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