「歯医者」の治療はなぜ何度も通わないといけないのでしょうか? 「治療費」を「稼いでいる」のではないかと邪推してしまうのですが、理由はあるのでしょうか?
そこでこの記事では、なぜ通院が複数回にわたるのかを多角的に解説します。
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目次
なぜ歯の治療は一度で終わらない? 時間をかけるべき理由とは
歯の治療が一回で終わる場合もありますが、虫歯が深部まで進行している場合は「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれる神経の処置が必要です。これは非常に繊細な治療で、1回では終わらないのが通常です。
つまり、時間をかけて確実に処置を進めることが、長期的に見て再発防止と歯の延命につながるのです。
「なぜ何度も来させるの? 」疑問が生まれる背景
「虫歯が1本だけなのに、なぜ何度もも通う必要があるの? 」と感じる方もいるかもしれません。特に毎回の治療時間が短かったり、説明が不十分だったりする場合、勘ぐってしまう場合もあるでしょう。実際、SNSなどでも「歯医者は通わせ商法だ」という声が散見されます。
保険制度と治療技術の両面から見る「分割治療」の意味
保険診療では、診療報酬が国によって厳格に定められており、自由に料金を設定できるわけではありません。2024年度の厚生労働省の診療報酬改定でも、1回あたりの報酬は原則数百円から数千円台であり、無理に回数を増やしても医療機関側に大きな利益は見込めません。
また、1回の治療で多くの歯を一度に処置することにはリスクが伴います。口腔内は繊細な環境であり、かみ合わせの変化や麻酔の影響なども考慮する必要があるため、医師は慎重に治療計画を立てる必要があります。
日本では、国民皆保険制度のもとで、多くの歯科治療は「保険適用内」で行われます。しかし、この保険制度には「1回の治療で行える処置内容」や「使える材料の種類」などに制限があります。
例えば、同日に複数の歯の型取りを行うと保険点数が算定できない、根管治療とかぶせ物の処置を同日に行えない、といったルールがあるのです。これらの制限があることで、物理的にも治療は分割されざるを得ません。
さらに、現在の歯科医療は「予後(治療後の安定性)」を重視しており、仮の詰め物を数日間入れて経過を観察する、という工程も当たり前になっています。これは、無理に短期間で治療を終えることより、長期的な歯の健康を守るという観点から重要な対応です。
治療は回数ではなく安心・確実さを重視するとよい
歯という組織は一度削れば元に戻らず、治療後の安定性や再発防止を考えると、どうしても慎重なステップが必要です。また、日本の保険制度では治療行為に厳密なルールがあり、1回で全てを行うことが不可能な仕組みになっています。
もし納得ができない場合は、治療の背景や意図を医師に確認してみるとよいでしょう。信頼できる歯科医が見つかれば、安心して治療を進められるでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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