夫婦で「年金10万円・持ち家あり」でも“生活保護”は受けられるって本当ですか?「築30年」以上ですし、手放さなくて問題ないでしょうか?

配信日: 2025.08.24 更新日: 2025.09.26
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夫婦で「年金10万円・持ち家あり」でも“生活保護”は受けられるって本当ですか?「築30年」以上ですし、手放さなくて問題ないでしょうか?
夫婦のどちらかが会社員として1ヶ月以上勤務した経験がない、例えば夫婦で20歳から自営業としてずっと働いてきた場合、老後は老齢基礎年金のみしか受け取れません。保険料の納付月数次第では月に10万円程度ということもあるでしょう。
 
一般的に判断すると、2人で月10万円の年金だけで生活するのは難しいと思われますが、生活保護の対象になるのでしょうか。
 
本記事では夫婦で年金月10万円の世帯が生活保護を受けられるのか、受給できるとしたら持ち家はどうなるのか、について解説します。
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老齢基礎年金(国民年金)の支給額は最大でも2人で月約13万8000円

老齢基礎年金の受給額は、20歳から60歳になるまでの40年間の「国民年金の納付月数」「厚生年金の加入期間」などに応じて計算されます。
 
20歳から60歳までの40年間の保険料を全て納めた場合の受給額は83万1700円(2025年度)であり、2人の受給額を1ヶ月に直すと受給額は月約13万8000円です。
 
ただし、保険料を納付した月数が少ないと、受給できる老齢基礎年金の金額も少なくなります。
 
例えば、国民年金保険料を30年だけ納付していた場合の受給額は「83万1700円×360月÷480月=62万3775円」です。夫婦2人とも同額の老齢基礎年金を受給できた場合、受給できる月額は約10万円となります。
 

年金が2人で月10万円だと生活保護の対象になる場合がある

年金額が月10万円の場合、生活保護の対象に含まれる可能性があります。
 
生活保護は、「世帯の全員が資産や能力その他あらゆるものを活用しても、最低限度の生活を営むことができない程度の状態」と認定された場合に受けられる制度です。
 
年金受給額が生活保護費未満であり、年金以外に貯金や収入がなく、持っている資産をお金に換えても生活できず、親族からの援助を受けられない状態であれば、生活保護費から年金受給額を差し引いた金額を受け取れる可能性があるでしょう。
 
例えば、仙台市の場合、高齢者夫婦(68歳、65歳)の世帯の最低生活費のモデルケースが11万8470円となっており、年金収入を10万円しか受け取れないという場合、1万8470円を生活保護によって受け取れる可能性があります。
 
ただし、最低生活費を下回る収入しか得られないとしても、親族から援助が受けられる場合はそちらが優先されます。
 

生活保護を受けても持ち家を手放さなくて良いケースもある

生活保護は、お金に困ったら誰でもすぐに受け取れるのではなく、自身の資産がある場合はまず売却するなどして生活費に充てることが原則です。
 
生活保護の要件にも、資産の活用として「預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください」と定められています。
 
ただ、新築から年数が経過して資産価値が落ちている一戸建ては、売却しなくても良い場合があります。
 
厚生労働省によれば、基本的な考え方として「被保護世帯の居住の用に供される家屋及びそれに付属する土地については、保有を容認し、保護を適用」となっています。
 
ただし、処分価値が利用価値と比べて明らかに大きい場合には、売却・現金化して生活に活用することが求められます。
 

まとめ

生活保護は、「自宅を売却しなければならない」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、必ずしも自宅の売却をしなくても保護を受けられる場合があります。
 
どのような条件で生活保護を受けられるかはケース・バイ・ケースなので、生活に困ったら自治体の窓口に相談してみましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省 生活保護制度
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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