来年から子どもが大学進学でひとり暮らしを始める予定です。仕送りを「6万円」にしようと思っていますが、今の物価高を考えると少ないでしょうか?
そこで本記事では、大学生の平均的な生活費や支出の内訳をもとに、仕送り6万円が妥当かどうかを具体的に検証します。
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最近の仕送り額の実態を確認しよう
物価高が続くなか、大学進学を機にひとり暮らしを始める子どもに「仕送りを月6万円で足りるのか」と不安に思う保護者は少なくありません。
全国大学生活協同組合連合会が2025年に公表した、「第60回学生生活実態調査」によると、下宿生の仕送りについて全国平均額は月7万2350円です。これは前年度より2000円以上増加しており、コロナ禍以前の水準に戻りつつあります。
この結果を見ると、月6万円の仕送りは平均よりやや少なめですが、家賃負担の有無や住む地域の物価、アルバイトの有無によって必要なお金は変わります。これらが厳しい場合には節約や援助などの工夫が必要ですが、うまく調整すれば生活は可能な場合もあります。
大学生のひとり暮らしにはどれくらいかかる?
仕送り額の妥当性を考えるためには、まず子どもがどのような支出をしているかを把握しておくことが大切です。
同じく大学生協の調査によると、大学生がひとり暮らしをする際の月々の支出(奨学金非受給者)は、以下のような内容が含まれます。
●家賃(住居費):約5万6000円
●食費:約2万6000円
●教養娯楽費:約1万3000円
●日常費:約7000円
●交通費:約5000円
●電話・通信:約3000円
●書籍費:約1000円
●勉学費:約1000円
●その他:約2000円
〇合計:約13万円
つまり、家賃を含めたすべての支出をカバーしようとすると、月13万円ほどかかることになります。
家賃を親が別途負担する場合、仕送りの6万円で食費やその他生活費をまかなうことは十分可能です。しかし、仕送りのなかから家賃も支払う必要がある場合は、生活費が厳しくなり、追加の収入や節約が必要となる可能性が高いのが実情です。
仕送り6万円で足りるかは住まいと収入のバランス次第
では、6万円の仕送りでやりくりするために、どのような工夫が必要なのでしょうか。ポイントは、主に次の3つです。
1. 家賃を抑えられる物件を選ぶ
家賃は生活費のなかで最も大きな割合を占めるため、ここをいかに抑えるかが鍵となります。学生向けの安価な物件で家賃が3〜4万円台に収まれば、残りの2〜3万円で食費や生活費をまかなうことが可能です。家賃を親が別途負担する場合は、6万円の仕送りで生活費を十分に補える可能性が高くなります。
2. アルバイトや奨学金との併用
最近では、多くの学生がアルバイトで月2〜5万円程度を稼いでいます。これにより、仕送りが少なくても生活を支えることができます。ただし、学業に支障が出ないよう、負担のかからないシフトや勤務時間を選ぶことが重要です。
また、奨学金の利用も選択肢の一つです。無利子・有利子など条件はありますが、仕送りにプラスする安定した収入源として検討する価値があります。
3. 親子で収支の見直しを定期的に行う
仕送り額は、一度決めたら終わりというわけではありません。入学直後とその後半年〜1年では、生活状況や支出が変化します。定期的に子どもの生活状況を確認しながら、必要であれば仕送り額や支援方法を見直すことで、無理なく支援を続けることができるでしょう。
生活スタイルに合わせて、無理なく節約しよう
仕送り6万円は、物価高騰が続くなかでは平均よりやや少なめですが、生活スタイルや家賃、アルバイト・奨学金などの収入源によっては十分に成り立つ金額でもあります。無理なく続けるためには、住む地域や物件の選定、アルバイト・奨学金を上手に活用することがポイントとなります。
また、仕送りは単なる金銭支援にとどまらず、親から子どもへの精神的なサポートにもつながります。定期的に生活の様子を聞きながら、必要に応じて仕送り額や支援方法を見直すことで、親子ともに安心して続けられる仕送りの形を築くことができるでしょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 概要報告
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
