コーヒーショップの「ドリンクチケット」はお釣りが出ないのに、百貨店の「商品券」では出る理由とは? 見分け方や“損しない”使い切りテクニックを解説

配信日: 2025.08.26 更新日: 2025.09.26
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コーヒーショップの「ドリンクチケット」はお釣りが出ないのに、百貨店の「商品券」では出る理由とは? 見分け方や“損しない”使い切りテクニックを解説
コーヒーショップの「700円ドリンクチケット」で550円のコーヒーを頼んだら、お釣りが出なかった。そんな経験はありませんか? 一方、デパートの商品券は現金でお釣りがもらえます。この違いはどこからくるのでしょうか。
 
本記事では、「お釣りが出ない金券」と「お釣りが出る金券」の違いを分かりやすく解説します。さらに、どのようなチケットや金券がおつりの出るタイプかを簡単に見分ける方法や、損せず使い切るテクニックも紹介します。
大垣はち

FP2級

コーヒーショップのドリンクチケットと商品券の「お釣り」の違いとは?

ドリンクチケットと商品券の違いは、その券が「特定の商品と交換するための券」なのか、それとも「現金と同じように使える券」なのか、という目的の違いから来ています。それぞれを図表1で比較しました。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
具体例を交えて詳しく解説します。
 

「ドリンクチケット」でお釣りが出ない理由

コーヒーショップのドリンクチケットは、「資金決済に関する法律」における「前払式支払手段」に該当します。これはドリンク1杯などの特定のサービスを受ける権利を購入したものであり、現金との交換を前提としていません。
 
チケットに「700円のドリンクチケット」と書かれていても、これは「700円相当のドリンクサービスを受ける権利」という意味です。そのため、500円の商品を注文しても残り200円分の現金は返却されません。余った分は「サービスの一部を利用しなかった」と見なされます。
 

「商品券」でお釣りが出る理由

デパートなどの商品券は、「有価証券」として扱われます。これらは現金と同等の価値を持つため、商品券の金額より安い商品を購入した場合には、差額が現金でお釣りとして支払われます。
 
商品券は発行会社が現金と引き換えに発行しているため、現金同様に扱われます。ただし、商品券でも種類によっては「お釣りなし」のルールを設けている場合があるので、注意が必要です。
 

お釣りが出る金券とお釣りが出ない金券の見分け方は裏面の注意書き

手元にあるチケットや金券が、お釣りが出るタイプかどうかを判断するには、裏面の注意書きをチェックしましょう。
 
多くの金券などの裏面には、以下のような記載があります。
 

・お釣りは出ません
・本券は1回のご利用で限度額までご利用いただけます
・つり銭はご容赦ください

 
このような文言がある場合は、お釣りが出ません。一方、百貨店の商品券などには、「つり銭をお渡しします」や「現金との併用可」と記載されており、お釣りが出ることが多いです。
 
分かりにくい場合は、レジなどで「お釣りは出ますか?」と確認してみましょう。
 

お釣りが出ない金券の「損しない」使い切りテクニック

ドリンクチケットなどは、基本的にお釣りが出ません。例えば、500円のチケットで400円の商品を頼んでも、差額の100円は戻ってきません。そんな「お釣りが出ない金券」を、上手に使い切る方法を紹介します。
 

現金と組み合わせて支払う

お釣りが出ない金券は、現金と組み合わせて使いましょう。ドリンクチケットの金額が500円で、商品が600円だった場合、差額の100円を現金で支払えば使い切れます。この方法ならチケットを最大限に活用できます。
 
無理にチケットの範囲内で選ばず、差額を足して使うことで損せず満足感の高い買い物ができます。
 

複数の金券を合算して使う

QUOカードなどは、基本的に複数枚を同時に利用できます。残高が150円と280円のカードがあれば、合計430円分の支払いとして使うことが可能です。
 
ただし、この方法は金券の種類やお店の方針によって異なります。「ドリンクチケット」のような「1商品につき1枚」と決められているタイプでは、この方法は使えないため注意が必要です。
 

少額商品で調整する

注文したい商品の価格がチケットの金額より少しだけ安い場合は、少額商品を追加して合計金額をチケットの金額に近づけるのがおすすめです。700円のチケットを使う際に、450円の商品に250円の商品を追加すれば、ちょうど700円になります。
 
ただし、この方法も「1商品につき1枚」と決められている「ドリンクチケット」のようなタイプでは使えないため注意が必要です。
 

お釣りが出るか迷ったら、まずは券面の注意書きを確認しよう

ドリンクチケットや商品券を利用する際には、裏面の注意書きを確認し「お釣りなし」の記載があるかチェックしましょう。記載がない場合は、お店に直接確認するのが確実です。
 
お釣りが出ないタイプの金券も、使い方を工夫すれば1円も無駄にすることなく利用できます。金券を有効活用して、お得に買い物を楽しみましょう。
 

出典

一般社団法人日本資金決済業協会 前払式支払手段発行業の概要
国税庁 有価証券の範囲
 
執筆者 : 大垣はち
FP2級

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