引っ越しでネット回線を解約したら“違約金”で「1万円」!友人から「月額費以上の違約金は違法じゃない?」と言われたのですが、どういうことでしょうか?
しかし実際に解約すると、思っていたより高額な請求が届くこともあり、「これって本当に正しいの?」と不安になる人も少なくありません。特に「月額料金を超える違約金は違法なのでは」という声を耳にすると、なおさら混乱してしまいますよね。
本記事では、制度の仕組みや法改正による違約金のルール、注意すべき落とし穴を解説し、安心して判断できるように解説します。
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目次
「月額以上の違約金は違法」って本当? 制度の基本を解説
まず、「月額以上の違約金は違法」という意見ですが、これは半分正しく半分誤解があります。
もともと光回線やモバイル回線では「2年契約」「3年契約」といった長期契約が主流で、更新月以外で解約すると高額な違約金を請求されるケースが多くありました。利用者にとっては「月額5000円なのに解約金は2万円」というような不合理な状況があり、「過度な負担ではないか」と問題視されてきたのです。
このため総務省は「電気通信事業法」の改正を進め、利用者保護の観点から違約金の上限を設定する方向へ舵を切りました。ただし、「違法」なのではなく、あくまで「制度として見直された」という流れです。
2022年の法改正で変わった! 違約金の上限ルール
2022年7月1日から施行された改正電気通信事業法では、固定回線や携帯電話契約の違約金は月額利用料の1ヶ月分を上限とするルールが導入されました。
たとえば、月額5500円の固定回線を契約している場合、解約違約金は最大でも5500円までで、これを超える金額は設定できないことになります。これにより「月額料金以上の違約金は請求されない」仕組みが整いました。
ただし、このルールは2022年7月以降に新しく結んだ契約やプラン変更に適用されます。制度改正前の2022年6月30日までに契約されたものは対象外のため、旧来の高額違約金がそのまま残っている可能性があります。
実は違約金だけじゃない! 工事費やオプション費用に注意
2022年6月30日までに締結した旧契約以外にも、解約時にはほかにも注意すべき費用があります。
まず代表的なものが工事費の残債です。回線を新設するときに工事費を分割払いにしている場合、途中解約すると残りの工事費が一括で請求されます。これは違約金とは別扱いで、法律上の上限規制の対象外です。
さらに、プロバイダーやオプションサービスの解約金が加算されることもあります。「違約金」「工事費の残債」「オプション解約料」を合算した結果、請求額が1万円を超えるケースも十分考えられます。
つまり「月額以上の請求だから違法」という単純な話ではなく、旧契約の条件や追加費用が関係している場合には、正当な請求とみなされるのです。
まとめ:違約金は必ずしも違法ではなく契約内容の理解が安心につながる
「月額料金を超える違約金は違法ではないか」という疑問はもっともですが、実際には制度改正が適用されるかどうかによって結論が変わります。
2022年7月以降の契約では月額料金を上限とするルールが適用されるため、過大な請求が行われることはありません。しかし、それ以前の契約や工事費残債、オプション解約料は規制の対象外であり、結果的に1万円程度の請求となることもあります。
大切なのは「本当に違約金だけなのか」「契約はいつ結んだものか」を確認し、正しい情報をもとに判断することです。違約金は必ずしも違法ではなく、契約内容を理解すれば納得できるものです。今後は契約前に更新月や工事費の有無を把握しておくことで、不要なトラブルを防ぎ、安心して新しい回線を選べるでしょう。
出典
総務省 消費者保護ルール
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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