シングルマザーで、生活保護として月15万円の支援を受けながら生活しています。子どもが成人した後、支援金額は変わりますか?

配信日: 2025.08.30 更新日: 2025.09.26
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シングルマザーで、生活保護として月15万円の支援を受けながら生活しています。子どもが成人した後、支援金額は変わりますか?
生活保護を受けながら子育てをしているシングルマザーの方にとって、子どもが成人することはうれしい反面、生活に関わる不安もあるかもしれません。特に「今もらっている生活保護の金額が、子どもが成人することによって減ってしまうのでは?」という不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、子どもが成人した後に生活保護の支援金額がどう変わるのか、制度の仕組みに基づいて解説します。
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母子加算や児童養育加算は子どもの年齢で変わる

生活保護には、基本的な生活費である生活扶助だけでなく、世帯の状況に応じて上乗せされる加算制度があります。シングルマザーの家庭では、以下の加算が多く適用されています。
 

・母子加算

18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子どもを扶養しているひとり親に対し、生活扶助に上乗せされる加算です。2025年度は、子ども1人の場合は1万8800円、2人の場合は2万3600円、3人以上の場合は1人増すごとに2900円加算されます(地域や級地により多少の変動があります)。
 

・児童養育加算

18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子どもを扶養している場合に、加算されます(2025年度は、子ども1人あたり月額1万190円)。
 
これらの加算は、あくまで「未成年の子どもを扶養している」という状況が条件です。そのため、子どもが18歳になって成人するタイミングや、就職などで扶養が終了した場合には加算が停止されることがあります。
 
つまり、現在受け取っている生活保護費に母子加算や児童養育加算の分が含まれている場合、子どもが成人するとその分の保護費が減額される可能性が高いということになります。
 

支給額の変化は世帯構成と収入で決まる

生活保護の支給額は一律ではなく、家庭の状況によって変わります。特に、「誰と一緒に暮らしているか」「収入がどのくらいあるか」といった要素が大きく影響します。
 
生活保護制度の仕組みでは、支給額は「最低生活費 - 世帯の収入 = 支給される保護費」の式で計算されています。
 
ここでいう最低生活費は、世帯の人数や年齢、地域の物価などによって決まり、国が定めた基準に基づいて算出されます。子どもが成人すれば世帯構成が変わるため、当然この最低生活費の金額も見直されます。
 
さらに、子どもが働き始めて収入を得るようになると、その分世帯全体の収入が増えることになります。生活保護は、最低生活費を補う制度なので、世帯の収入が基準を超えた場合は、支給が減額されたり、最終的には打ち切られたりすることもあります。
 
ただし、子どもが成人しても大学や専門学校などに通っており、収入がない場合は、生活費の必要性が継続しているとみなされる可能性もあります。その場合は、支援が継続します。
 

減額や打ち切りがある場合、どのタイミングで分かる?

生活保護の内容は、定期的に福祉事務所によって見直されます。例えば、以下のようなタイミングです。

●毎年の収入状況や住民票の確認
●子どもの進学・就職などのライフイベント
●世帯員の転出や転入があったとき

これらのタイミングで、担当ケースワーカーによって状況が確認され、支給額が見直されます。子どもが18歳になる年度の3月末ごろには、加算の継続可否や支援額の変更について通知が届くことが一般的です。
 
福祉事務所からは、あらかじめ状況を確認するための面談や書類提出が求められることもあります。もし分からないことがあれば、事前に担当者に相談しておくと安心です。
 

子どもが独立したら、生活保護はどうなる?

子どもが成人し、進学や就職などで生活スタイルが変わると、生活保護の取り扱いにも影響があります。特に「子どもが独立するのか」「同居を続けるのか」によって、支給額や支援の継続に違いが出てきます。
 
子どもが世帯から完全に独立して住民票を別にした場合は、母親単独の生活保護世帯として再認定され、保護内容が再計算されます。一方、子どもが同居を続けながら収入を得る場合、その収入は世帯全体の収入として扱われ、生活保護費の減額または支給停止の対象になることがあります。
 
いずれの場合も、「同居して生活しているか」や「扶養義務のある家族がいるか」が支給判断の重要なポイントとなります。特に、18歳を過ぎた子どもが就職し収入を得ることで、生活保護の継続が難しくなるケースが多いため注意が必要です。
 

子どもの成人による生活保護の変化に備えよう

生活保護には母子加算や児童養育加算など、子どもが未成年であることを前提とした支援があります。子どもが18歳の誕生日を迎え、さらにその年度末の3月31日を過ぎると、これらの加算が終了し、支給額が減る可能性があります。
 
子どもが成人後に進学するのか、独立するのかによって対応も異なるため、将来を見据えて早めに福祉事務所へ相談しておくことが大切です。
 

出典

厚生労働省 第52回社会保障審議会生活保護基準部会 参考資料 生活保護制度の概要等について
厚生労働省 2025(令和7)年4月1日施行 生活保護実施要領等
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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