夫は「停車中のスマホ操作は違法じゃない」と言っていたのに…ほんの数秒で「1万8000円」の罰金!? 勘違いしがちな“ながら運転”の罠とは
本記事では、停車中のスマホ操作が本当に違反になるのか、そして違反や事故が家計に与える影響を解説します。
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級
ながら運転の法的な定義と罰則
「交通の危険を防ぐため」、道路交通法では、運転中に携帯電話などを操作することは禁止されています。
そして、運転中の携帯電話やカーナビなどの画面注視について、「当該車両が停止しているときを除き」禁止すると定められています。つまり、信号待ちなどで完全に停止している状態であれば、スマホ操作は必ずしも違反とはなりません。
しかし、ここで注意したいのが、「停止」の定義です。たとえ信号待ちで止まっているつもりでも、車がわずかに前後に動いていたり、クリープ現象のように進んでいたりする場合は“走行中”と判断される可能性があります。
エンジンをかけたまま停車中であっても、操作の状況によっては違反に該当するケースもあり、取り締まりの現場ではドライバーの意図よりも車両の動きと安全性への影響が重視されます。
実際に違反とみなされた場合、反則金や違反点数が科されるだけでなく、状況によっては刑事罰の対象となることもあります。違反の種類ごとの具体的な罰則については、次項で詳しく解説します。
違反の種類ごとの具体的な罰則
道路交通法上の違反や罰則は図表1の通りです。
図表1
警察庁 やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用 より筆者作成
スマートフォン操作が「走行中」に該当するかによって、罰則内容が大きく変わります。特に「画面を注視したかどうか」で、刑事罰の対象(交通の危険)となり、違反点数も6点科される可能性があることは見落とされがちです。
さらに家計に直撃……事故につながると“保険料アップ”の落とし穴も
携帯電話の操作が原因で追突などの事故を起こしてしまった場合は、どうなるのでしょうか。前の車に追突してしまい、相手車両と自分の車両の修理のために自動車保険を使うことになった場合、「3等級ダウン事故」として取り扱われます。
例えば、13等級だった人が3等級ダウンした場合、保険料の割引率は51%から次回の更新時に19%にまで下がってしまいます。
事故前の保険料が年間10万円だった場合、3等級下がると保険料は約16万円まで上がります。保険を使用する前の等級に戻るまでには、無事故で3年間過ごす必要があり、約18万円の差額が発生する計算です。
違反と同時に保険も使用するとなると、家計が大きなダメージを負うことになってしまいます。
運転中のスマホ操作がもたらすリスクを正しく知ろう
道路交通法上は、車が「停止」しているときのスマホ操作は違反にはなりません。しかし、法律上グレーなケースが多いため、「停車中=絶対安全」ではないと考えておいたほうがいいでしょう。
さらに、違反や事故となれば数秒のスマホ操作が1万8000円+α(保険料上昇など)の出費につながる可能性もあることも考えておくことが必要です。家計にも事故リスクにも影響するため、運転中はスマホを「しまっておく」「電源を切る」習慣が大切です。
出典
政府広報オンライン やめよう!運転中の「ながらスマホ」違反すると一発免停も!
一般社団法人日本損害保険協会 損害保険Q&A くるまの保険 問23 自動車保険の「等級」について教えてください。
執筆者 : 今みなみ
FP2級、秘書検定2級、剣道3段、ビジネス会計検定3級、ビジネス実務法務検定3級

