高校受験を控えた息子から「私立に行きたい」と言われました。高校卒業まで「600万円」を教育費として貯めてきましたが、私立高校に通うとなると、足りなくなるでしょうか…?

配信日: 2025.08.31 更新日: 2025.09.26
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高校受験を控えた息子から「私立に行きたい」と言われました。高校卒業まで「600万円」を教育費として貯めてきましたが、私立高校に通うとなると、足りなくなるでしょうか…?
600万円の教育費をしっかり準備してきたとはいえ、私立高校に通うとなると想像以上にお金がかかるのではないかと不安を抱く人も少なくありません。
 
この記事では、私立高校の学習費の費用相場と具体的な支出内容をはじめ、支援制度や奨学金の活用について分かりやすく解説します。
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600万円の貯金で足りる? 私立高校でかかる費用

私立高校に通うとなると、気になるのは費用ではないでしょうか。学費の高さはよく話題になりますが、実際は思った以上に出費がかさむケースもあるようです。教育費として600万円を貯めていても油断は禁物です。
 
私立高校でかかる学習費の目安や注意すべき支出について、具体的に見ていきましょう。
 

私立高校の学習費相場

文部科学省による「令和5年度子供の学習費調査」では、全日制の私立高校と公立高校の1年間でかかる学習費は表1のような結果でした。
 
表1

区分 1年間でかかる学習費の平均額
私立高校 103万283円
公立高校 59万7752円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
 
1年間にかかる学習費は、私立高校は平均103万283円、公立高校では平均59万7752円です。3年間分の学習費を単純計算すると、私立高校は309万849円、公立高校では179万3256円です。
 
私立高校と公立高校の学習費には年間100万円以上の差が生じるものの、600万円の貯金があれば問題なく支払えることが分かります。
 
ただし、表1はあくまで学習費のみの比較です。実際の高校生活ではほかに必要になる費用が多くあります。次は、私立高校で学習費以外にかかる出費について詳しく見ていきましょう。
 

学習費以外の出費も多い

授業料とは別にかかる「学費以外の出費」も、私立高校生活では見逃せません。難関大学を目指して塾や予備校に通うとなると、年間で数十万円かかることもあります。
 
また、スポーツ系や文化系のクラブ活動に本格的に取り組む場合には、遠征費や道具代が必要です。さらに、家庭で使う参考書や問題集、交通費なども積み重なっていくでしょう。
 
このように、校外での活動費も、進路や生活スタイルによっては大きな負担になる可能性があります。
 

学習費の負担を減らせる支援制度

私立高校に対して費用がかかるイメージがあるかもしれませんが、家庭の収入状況によっては国や自治体からの支援を受けられる制度が用意されています。制度をうまく活用すれば、学習費の負担を抑えることも可能です。
 
代表的な支援制度である「高等学校等就学支援金」と「高校生等奨学給付金」について紹介します。
 

高等学校等就学支援金

私立・公立を問わず、高校に通う生徒が安心して学べるために設けられている制度が「高等学校等就学支援金」です。授業料の負担を軽減するためのもので、世帯年収が910万円未満の家庭が対象となります。
 
また、令和7年度からは実質的に所得制限が緩和され、これまで対象外だった家庭にも支援の範囲が広がりました。さらに、令和7年度に限り、年収910万円以上の世帯に対して「高校生等臨時支援金」として年間11万8800円の補助が行われます。
 
今後も私立高校への加算額の引き上げや令和8年度からの授業料完全無償化が検討されており、家計の負担は和らぐかもしれません。
 

高校生等奨学給付金

「高校生等奨学給付金」は、授業料とは別にかかる教育費の負担を軽くするため、経済的に厳しい家庭を対象に支援を行う制度です。生活保護を受けている世帯や住民税非課税世帯が主な対象で、私立高校に通う非課税世帯の生徒には年間15万2000円が給付されます。
 
生活保護世帯の場合は年間5万2600円、通信制に通う非課税世帯でも5万2100円が給付されるなど、就学形態や世帯の状況によって金額は異なります。利用するためには、居住地の都道府県への申請や学校を通した手続きが必要です。
 

支援制度をうまく活用しよう

3年間でかかる私立高校の学習費は公立より高めですが、600万円の貯蓄があれば学習費の支払いには十分対応できます。
 
ただし、高校生活では塾やクラブ活動など、学習費以外の出費がかさみます。就学支援金や給付金などの制度を活用すれば、家計の負担を大きく減らせるでしょう。
 

出典

文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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