子どもが都営住宅に住んでいます。「月10万円」の年金暮らしになり、切り詰めて生活していることを話すと「家賃が安いから」と誘われました。親が同居しても問題ないでしょうか?
本記事では、親が都営住宅で同居する際に必要な手続きや注意点をわかりやすく解説します。
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目次
「家賃が安いから同居しよう」は要注意! 都営住宅の同居ルールとは
都営住宅は公的な住宅制度で運営されているため、民間の賃貸住宅とは違い、入居者や同居人に関する厳格なルールがあります。親子とはいえ、入居している子どもから「一緒に住もう」と言われてすぐに同居できるわけではありません。
都営住宅における同居は、基本的に「やむを得ない事情がある場合」に限って許可される仕組みになっています。たとえば、次のような理由が該当します。
●高齢の親を扶養する必要がある場合
●結婚やパートナーシップ関係になる場合
●介護や看護、通学を目的とする場合
●他に住む場所がない事情がある場合
これらの事情を説明し、申請手続きを行うことで、はじめて「同居」が認められることになります。
同居するには許可が必要! 手続きと条件を確認しよう
都営住宅で親と同居するには、東京都住宅供給公社(JKK東京)に「住宅同居申請書」を提出して、許可を得る必要があります。申請の種類には以下の2つがあります。
●正式同居許可(期限なし)
主に親子や配偶者など、近しい家族が対象です。扶養や介護など正当な理由のほか、社会通念上同居が適切であれば認められます。
●期限付き同居許可(1年ごと更新)
祖父母や兄弟姉妹など、少し遠い親族の場合はこちらが適用されます。原則1年単位の許可で、更新には再度申請が必要です。
世帯状況等によって異なりますが、申請の際には、住民票や戸籍謄本、扶養関係がわかる書類、介護が必要であることを証明する診断書などを提出する必要があります。書類の準備や審査には時間がかかるため、同居を考え始めたら早めに相談をしましょう。
家賃や契約に影響する? 同居がもたらす変化とは
親が同居することで気になるのが、「家賃が上がるのでは?」という点です。都営住宅の家賃は、入居している世帯全体の収入に応じて決まります。そのため、同居によって世帯収入が増える場合、家賃が引き上げられる可能性があります。
たとえば、年金を受け取っている親が同居すれば、その年金収入も合算される場合があります。月10万円の年金でも、年間で120万円になるため、家賃に影響するケースもあるでしょう。
また、手続きせずに無断で同居を始めてしまうと、重大な契約違反とみなされる可能性もあります。最悪の場合、住宅の明け渡し(退去)を求められることもあるので注意が必要です。
まとめ:安心して親子で暮らすために大切なこと
都営住宅に親が同居するには、「理由のある同居」であること、そして「きちんと申請して許可を得ること」が大前提です。
無断で同居を始めてしまうと、家賃の再計算や契約解除など、思わぬリスクが生じます。ですが、事情を正しく説明し、必要な書類をそろえて申請すれば、安心して親子で一緒に暮らすことも可能です。
経済的な不安を減らし、家族が支え合える暮らしを実現するためにも、制度を正しく理解し、早めに行動することが大切です。
出典
東京都住宅供給公社 JKK東京 都営住宅等の同居申請
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
