CD・DVDが売れない今「ゲオ」はどう存続している? レンタル事業は「大幅縮小」の一方、好調部門から見る“生き残り戦略”とは
本記事では、かつてレンタルDVD・CDで多くの人がお世話になったゲオの最新の店舗数やグループ全体の業績、ゲオグループの成長戦略についてまとめました。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
レンタルDVD・CDで知られる「ゲオ」の店舗数・売り上げの最新情報
「ゲオ」は、株式会社ゲオホールディングスが事業運営をするショップの1つです。
DVDやBlu-ray、CDなどのレンタルというイメージが強い人もいるかもしれませんが、実際には新品の衣料・服飾、生活雑貨のほか、新品またはリユースのゲーム機器、AV家電などさまざまな商品を販売しています。
現在のゲオの店舗数は、リユースモバイルやAV機器、ゲーム機器などの販売に特化した「ゲオmobile」と合わせて1054店舗(2025年3月末時点)あります。
2025年3月期には、ゲオとゲオmobileを合わせて50店舗が閉店している一方、39の新規出典があります。
業績をみると、ゲオらしいイメージのあるレンタル事業が前期比▲12.6%(▲41億4600万円)と大幅に業績が縮小しているなか、ゲオmobileの主力事業のリユースのスマホ・タブレットが前期比+27.4%(+97億7700万円)と好調です。
レンタル事業が縮小した穴を、ゲオmobileの新規出店による業績アップで埋めていることが分かります。
ゲオグループ全体の業績は?
ゲオグループ全体の売り上げをみると、商材別の売上高の合計は4276億6900万円と、前期比で▲1.4%(▲61億7900万円)となりました。原因としては前記のレンタル事業のマイナスに加え、半導体不足が解消して販売堅調だった新品ゲーム商材の需要が一巡したことで「新品」の売上高が前期比▲25.1%(▲332億9000万円)と大幅減になったことが大きいようです。
ただし、売上総利益で見てみるとゲームを含む「新品」のカテゴリは前期比4.3%のプラスです。売り上げが大きく落ち込むなかでも、売上構成比の変化によって粗利益率が上昇したことが要因です。
また、リユース系は「2nd STREET」などの新規出店が堅調で、前期比11.1%の増益でした。
トータルの売上総利益は1706億7100万円で、前期比6.8%のプラスであり、売り上げが下がるなかで効率的に利益を得られたと分析できます。
ゲオグループ全体の成長戦略とは
ゲオグループの決算説明資料を見ると、今後はリユース需要の増加を見越して「2nd STREET」の出店を加速させるようです。総合リユース店舗に加えて都心型の店舗や買取専門店を出店し、2029年3月期までに国内1000店舗を目指すとされています。
また、すでに海外にも113店舗を出店しており、今後も北米やアジア各国などに35店舗を出店する計画です。
ゲオについては、リユースmobileのシェアトップの「ゲオmobile」の併設を進めるなど、レンタル主体の店舗からリユース品販売の拡大への転換を図っていくようです。
まとめ
かつてはレンタルDVD・CDで知られたゲオですが、現在はリユースmobileに強いゲオmobileの併設・新設を進めています。グループ全体としては2nd STREETなどリユース品を扱う店舗を拡大しており、かつてのイメージからは大きく事業形態が変わっています。
出典
株式会社ゲオホールディングス 2025年3月期 決算説明資料
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
