祖母に「昭和の記念切手」をもらった! 祖母は「価値がある」と言いますが、高く売れますか?“額面以上”になる場合もあるのでしょうか?
しかし、切手の価値は古さや額面だけで決まるわけではなく、保存状態や発行枚数、人気のテーマなど複数の要素が関わります。
今回は、昭和の記念切手がどの程度の値段で取引されるのか、売却時の注意点、そして「お金の面」でどう考えるべきかを解説します。
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者
切手の価値を左右するポイント
切手の価値は、「発行枚数と希少性」により変わります。大量に発行された記念切手は、いくらデザインが美しくてもコレクター市場では値上がりしにくい傾向があります。何十年たっても額面と同等か、わずかに高い程度で取引される場合がほとんどです。しかし、発行枚数が少ない切手はどのようなデザインであっても、希少価値がつきます。
印刷ズレ・色違いといったエラー切手は、本来市場には出回りません。人的ミスにより出てきた切手も人気があり、コレクター市場では、額面の数十倍以上で売買されるケースもあります。
また、「人気のデザインやテーマ」も無視できません。例えば、オリンピック記念や天皇即位に関連した切手など、歴史的なイベントに関する切手はコレクターの需要が高い傾向があります。
さらに「保存状態」も重要です。シミや色あせのない、ピンとした未使用切手はそれだけで価値が高まりますが、折れや汚れがあると一気に下がります。また、1枚ずつ集めているものより、シートで収集されているもののほうが価値が高まります。
祖母から譲られた切手が必ずしも高額になるとは限りませんが、状態が良さそうならば額面以上の値はつくでしょう。
昭和切手の相場と売却の注意点
気になるのは「実際、いくらで売れるの?」というところですよね。
希少価値がある切手なら、数千円と額面の数倍になることもあります。逆に発行量の多い切手は、額面以下でしか取引されないことも少なくありません。必ずしも古いから高く売れるわけではないのです。「正直、もっと高いと思っていたのに……」と感じる人も多いのではないでしょうか。
一方、発行枚数の少ない切手は、数千円から数万円の値がつくケースもあります。例えば、昭和天皇の即位記念切手や、終戦直後に発行された数量限定の切手などは、コレクター市場で根強い人気があります。ただし、高額取引には真贋(しんがん)鑑定が伴うため、必ず信頼できる業者で査定を受けるようにしましょう。
主な売却方法には、オークション、切手専門店などがメインでしょうか。オークションは競り合いで価格が上がる可能性がありますが、落札手数料も発生します。
そのため確実に適正価格を知りたい場合は、専門店での無料査定を利用するのがおすすめです。
まとめ
昭和の記念切手は、必ずしも高額で取引されるわけではありません。希少価値の高い切手は額面の数倍に跳ね上がることもありますが、逆に額面を下回ってしまう切手もあり、その幅は意外と大きいです。
現金化するか大事にしまっておくかは状況次第ですが、たとえ数百円にしかならない切手でも心が満たされる宝物なら、それこそ本当の意味で価値があるのではないでしょうか。
執筆者 : 里見るい
FP2級、日商簿記2級、建設業経理士1級、衛生管理者
