高校生の娘が「夜行バス」で東京に行きたいとのこと。心配なので“差額分”を出して「新幹線」で行かせるべきですか?
しかし、親としては未成年のわが子が「夜行バス」を利用することは、安全面や体力面で心配になることもあるでしょう。費用を抑えるか、安全・快適さを優先して、新幹線を利用するように差額分を出してあげるか、悩ましいところですね。
本記事では、夜行バスと新幹線の費用・時間の比較、夜行バス利用時の注意点、差額を出して新幹線にするメリットを解説します。
ファイナンシャルプランナー2級
夜行バスと新幹線の費用・時間はどれくらい?
仮に山口県から東京都まで移動した場合、夜行バスと新幹線では、費用と時間はどのくらい違うのでしょうか。新幹線(自由席)で、新山口駅から東京駅まで移動した場合、片道約2万2000円、所要時間は約4時間半となります。
一方、夜行バスで山口県内から東京駅まで移動した場合、バスのグレードにもよりますが、片道1万円から1万5000円ほど、所要時間は休憩や途中停止も含めて約13時間から15時間です。
夜行バスの価格は新幹線の半額程度で済みますが、時間は3倍ほどかかります。高校生のように「とにかく安く移動したい」と考える人にとっては魅力的な選択と言えるかもしれませんが、夜間に長時間座りっぱなしになるため、体力的な負担や睡眠不足となる可能性があります。
また、夜行バスは渋滞や天候の影響を受けやすく、到着時刻が前後することもあるでしょう。
夜行バス利用のデメリット・注意点
低価格で利用できるというメリットがある夜行バスですが、いくつかのデメリットがあります。
まずは「体力の消耗」です。ほとんどのバスでは、座席はリクライニングができるとは言え、イスに長時間座りっぱなしになるため睡眠も取りにくく、「寝られなくて移動だけで疲れた」となる可能性もあるでしょう。
バスによって座席の広さや設備の違いがあるので、料金と快適さを加味して、少しでも快適なバスを選ぶことをおすすめします。
また、夜間の移動は、事故やトラブルに巻き込まれるリスクがゼロではありません。夜行バス自体は安全であっても、暗い車内で知らない人が多く同乗するため、基本的な防犯対策をすることを忘れないようにしましょう。
さらに、バスは道路の混雑具合や、乗客の遅刻といった理由で、 到着時間が前後する可能性が新幹線よりも高くなります。目的地に到着後、集合時間やイベント参加時間が決まっている場合は、余裕を持ったスケジュールにするか、到着時間がある程度正確な新幹線の方が確実と言えます。
高くても新幹線を利用するメリット
差額分を出してでも新幹線を利用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
まずは「利便性」と「安全性」です。 新幹線は夜行バスに比べて運行本数も多く、時間の融通が利きやすくなります。移動は深夜帯ではないうえ、車掌が同乗しているので、万が一のトラブル時に対応してくれるという安心感もあるでしょう。また、事故リスクも一般的に夜行バスより低めです。
新幹線は夜行バスと比べて短時間で移動できるのもメリットです。夜行バスだと、消灯時間中は静かにしていなければいけませんが、新幹線であれば、節度を守った範囲内での会話も楽しめ、移動時間に食事をすることもできます。
座席も広く、夜行バスのように寝不足で疲れる心配が少ないため、高校生の体調や集中力を考えるとメリットは大きいでしょう。
費用と安全・快適さのバランスを考えよう
夜行バスは費用を抑えられる一方で、体力面・安全面・快適性に注意が必要です。特に高校生の場合、長時間の夜行移動は負担が大きくなってしまいます。一方、新幹線は夜行バスよりも費用がかかりますが、短時間で安全に移動でき、体力的負担も少ないため、親としては「安心な移動手段」と言えるでしょう。
夜行バスで行かせる場合は、しっかりと体調管理や安全対策をして、無理のない範囲で利用することが大切です。もし夜行バスに不安を感じる場合は、同行する友人との調整などは必要になりますが、「安心のための費用」として差額を出し、新幹線を利用することも検討しましょう。
いずれを選択するにせよ、費用と安全・快適さのバランスを考え、親子で納得のいく移動手段を選ぶことが大切です。
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
