駅構内のレストランを利用するために「通勤定期券」を使っている友人。「入場券」として使っても問題ないのでしょうか?
例えば、友人と駅ナカのレストランで待ち合わせをするために、通勤定期券をかざして改札を通っているケースです。果たしてこれは正しい利用方法なのでしょうか?
この記事では、規則上の扱いや鉄道会社が用意している公式サービスをもとに、分かりやすく解説します。
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通勤定期券は入場券の代わりにはならない
定期券は、「指定された区間内で乗車すること」を目的とした乗車券です。つまり、列車に乗らずに駅構内へ入る場合は、入場券を購入するのが原則です。
実際に、JR北海道の公式ホームページでは「定期乗車券は列車への乗車目的以外にはご利用いただけません。入場の際には入場券をお買い求め下さい」と明記されています。入場券とは、電車に乗らずに駅構内に入るための切符で、例えば、JR東日本内においては大人150円、子ども70円で販売されています。
駅構内にあるレストランやカフェを利用する、あるいは駅ナカのショップで買い物をするなどの目的で改札を通る場合は、本来この入場券を購入しなければなりません。定期券を使って入場することは、規則上「入場券の代わり」とは認められていないのです。
通勤定期券をプライベート利用することは問題ない?
ここで気になるのが、「通勤定期券を私用で使ってもよいのか?」という点です。結論から言えば、定期券区間内の乗車であれば、通勤以外の目的でも問題なく利用できます。
具体的には、勤務先から自宅に帰る途中に途中下車して買い物をする、休日に定期区間の駅まで遊びに行くといった利用が挙げられます。定期券の利用目的はあくまで「区間の運賃をあらかじめ支払っている」という点にあるため、乗車の理由までは制限されていないのです。
しかし注意したいのは、「電車に乗らないのに改札を通る場合」です。先ほど述べたように、駅構内のレストランやカフェだけを利用するために定期券で入場するのは、正しい使い方ではありません。通勤定期券をプライベートに使うこと自体は問題ありませんが、その利用はあくまで「列車に乗る場合」に限られます。
つまり、「会社帰りに駅ナカで夕食をとる」という利用なら、定期券を使って改札を通り、そのまま電車に乗れば何の問題もありません。一方で、「電車には乗らずに駅ナカレストランだけを利用する」場合は、入場券を購入するか、IC入場サービスを活用する必要があるのです。
対象エリア内なら「タッチでエキナカ」サービスを活用する方法も
前述の通り、駅構内のレストランやショップを利用したいときは、入場券を購入するか、JR東日本の対象エリアであれば「タッチでエキナカ」というサービスを活用する方法もあります。
「タッチでエキナカ」とは、Suicaなどの交通系ICカードを入場券として利用できるサービスで、同じ駅で自動改札機を「入場」して2時間以内に「出場」すると、自動的に入場券と同等の料金がチャージ残高から引き落とされます。
これにより、駅ナカで食事や買い物を楽しんだあと、安心して改札を出られる仕組みになっているのです。
このサービスを利用すれば、規則に反することなく、正しく駅構内を楽しめます。ただし、Suica定期券区間内の駅およびIC企画券の有効区間内の駅ではこのサービスは利用できないため注意が必要です。
まとめ
通勤定期券を使って駅構内に入り、レストランやカフェを利用することは、規則上は「入場券の代わり」として認められていません。定期券は、「指定された区間内で乗車すること」を目的とした乗車券であり、列車に乗らずに駅構内へ入る場合は、入場券を購入するのが原則です。
正しく利用するためには、入場券を購入するか、対象エリア内であれば「タッチでエキナカ」サービスを活用しましょう。駅ナカの魅力は年々増しており、食事や買い物に便利な施設がそろっています。正しい方法で改札を通れば、安心してその利便性を楽しめるはずです。
出典
北海道旅客鉄道株式会社
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
