75歳の母が「もう紙の保険証は使えない」と“マイナ保険証”に切り替え。会社員の私も早めに変更すべきでしょうか?
実は、会社員や公務員が加入する健康保険組合や共済組合とは切り替えの時期が異なり、手続きのタイミングに差があるのです。
本記事では、後期高齢者医療制度・国民健康保険に加入している人と、それ以外の人で何が違うのか、切り替えのスケジュールやマイナ保険証の登録方法について解説します。
FP2級、日商簿記2級、宅建士、賃貸不動産経営管理士
後期高齢者医療の切り替えと8月以降の対応
75歳以上の人に交付されてきた「後期高齢者医療被保険者証(紙の保険証)」は、2024年12月から新規発行が停止されています。2025年7月末で有効期限を迎え、8月以降は原則としてマイナンバーカードを使った「マイナ保険証」の提示が必要です。国民健康保険に加入している人も同様に、7月末で順次、紙の保険証が使えなくなります。
ただ、2025年度初めでも約700万人の高齢者がマイナ保険証を利用登録していません。そうした場合でも2割負担で受診できなくなるわけではなく、自治体から無償で「資格確認書」が交付され、紙の保険証の代わりに利用できます。資格確認書は更新が必要で手間もかかるため、通院の多い高齢者は早めにマイナ保険証へ切り替えておくと安心です。
会社員・公務員はどう対応すれば良い?
会社員が加入する協会けんぽや勤務先の健康保険組合、公務員が加入する各種共済組合の保険証は、従来のままでも2025年12月1日まで利用できます。後期高齢者のように8月から一斉に切り替わるわけではないため、現役世代には多少のゆとりがあります。
ただし、12月2日以降は原則として「マイナ保険証」に移行します。マイナ保険証を持っていない人には、期限までに資格確認書が交付されるため、いきなり保険適用されない状態になる心配はありません。資格確認書には有効期限があり、更新手続きが必要です。
マイナ保険証の登録方法
登録に必要なのは (1)マイナンバーカード、(2)マイナンバーカードの暗証番号(数字4桁) の2つです。
登録手順(スマートフォン・パソコンの場合)
1. スマートフォン(マイナポータル対応機種)やパソコン+ICカードリーダーを用意
2. マイナポータルで「利用登録をする」を選択
3. マイナンバーカードを読み取り、暗証番号を入力
以上のステップで簡単に登録が完了し、全国の医療機関でマイナ保険証を利用できるようになります。その他の登録方法として、医療機関・薬局の受付(カードリーダー)での登録やセブン銀行ATMを利用した登録も可能です。
まとめ
後期高齢者医療制度や国民健康保険では、2025年8月から紙の保険証が使えなくなります。一方、会社員や公務員が加入する協会けんぽ・健康保険組合・共済組合は、2025年12月1日まで利用可能です。
どちらの場合も資格確認書が交付されますが、資格確認書には有効期限があったり、マイナ保険証に比べて制限があったりとデメリットもあります。それらを含めて考慮し、できるだけ早めにマイナ保険証へ切り替えることを検討してもいいかもしれません。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
デジタル庁 デジタル庁ニュース 8月以降順次切り替え!健康保険証の注意点は?(後期高齢者医療制度・国民健康保険の被保険者の方)
全国健康保険協会 マイナ保険証をお持ちでない方へ資格確認を送付します(従来の健康保険をお持ちの方)
デジタル庁 マイナポータル マイナンバーカードが健康保険証等として利用できます!
執筆者 : 村吉美佳
FP2級、日商簿記2級、宅建士、賃貸不動産経営管理士
