家賃「5万円」の都営住宅に住んでいますが、来年息子が家を出ます。自分1人になるので、狭い間取りに変更して家賃をおさえたいのですが、可能でしょうか?
本記事では「子どもが自立して自分1人で都営住宅に住むことになった場合、間取り変更を希望することは可能なのか?」ということについて、住み替えによる家賃の変動額や手続き方法も含めてご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
都営住宅の間取り変更を希望することは可能?
都営住宅ではさまざまな間取りの住居が用意されており、それによって使用料も異なります。今回のように「一緒に住んでいた子どもが家を出て自分1人になるので、狭い間取りに変更したい」というケースもあるでしょう。
東京都住宅政策本部によると、都営住宅の住宅変更を申請できるのは、原則としてその都営住宅に1年以上住んでいて以下のような条件に当てはまる場合です。
・出生や正式同居を認められたことにより世帯人数が増え、入居している部屋が著しく狭いと認められるとき
・居室の専用面積に対する使用者および同居者数が一定の基準以下のとき
・加齢や病気などにより日常生活に障害があるとき
・勤務場所の変更により通勤所要時間が一定の基準を超えるとき など
子どもが家を出ることで居室の専用面積に対する使用者および同居者数が基準以下になった場合は間取り変更を希望できる可能性があります。
しかし、家族の人数が減ることでそのような条件に当てはまった場合も同様であるかは記載されていないため、確認が必要になるでしょう。この件に関しては、市区町村によって対応が異なるようです。
例えば、一般財団法人札幌市住宅管理公社のホームページには「入居するときは家族と家族向けの部屋に入って、何年か後に1人になった場合は退去しないといけないのですか?」という質問に対する回答として「退去する必要はありません。
なお、部屋が定められた広さ以上の場合は、単身者向けの部屋への住み替えを申込むことができます」と明記されています。
狭い間取りの部屋に住み替えると家賃はどのくらい変わる?
狭い間取りの部屋に住み替えることで家賃がいくらくらい変わるのか、確認してみましょう。練馬区にあるアパートを例に挙げ、2人世帯の場合の2DK(36平方メートル・昭和44年度建設)と3DK(55平方メートル・昭和59年度建設)の部屋の家賃の違いを表1にまとめました。
表1
| 所得金額 | 2DK | 3DK |
|---|---|---|
| 0円~162万8000円 | 1万7600円 | 3万300円 |
| 162万8001円~185万6000円 | 2万1300円 | 3万6800円 |
| 185万6001円~204万8000円 | 2万5200円 | 4万3500円 |
| 204万8001円~227万6000円 | 2万9100円 | 5万200円 |
| 227万6001円~261万2000円 | 3万3700円 | 5万8000円 |
| 261万2001円~294万8000円 | 3万8600円 | 6万6600円 |
出典:東京都住宅政策本部「申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで」を基に筆者作成
所得金額が同じでも、3DKから2DKへ住み替えることで家賃が2万円以上安くなることもあるようです。今回の事例では家賃5万円の部屋に住んでいるということなので、家賃を3万円程度に引き下げられるかもしれません。
間取り変更に必要な手続き方法
間取り変更(住宅変更)を希望する場合は、管轄の窓口センターや出張所で「都営住宅変更申請書」を入手し、必要書類を添えて提出しましょう。
手続きの際必要になる書類には、住民票や最新年度の住民税(非)課税証明書、生活保護受給証明書などが必要になるため、早めにそろえておくことをおすすめします。また、間取り変更を希望する理由によっては、そのほかにも追加書類提出が必要な可能性もあるため事前に確認しておきましょう。
家族が減ることで間取り変更が可能かどうかは確認が必要
都営住宅は間取りによっても家賃が異なるため、子どもが家を出て自分1人で住むことになる場合などは、狭い間取りの部屋に住み替えて家賃をおさえたいと考えることもあるでしょう。
東京都住宅政策本部のホームページに住宅変更を申請できる条件が記載されていますが、家族が減ることで申請できるかどうかは確認が必要になると考えられます。狭い間取りに変更することで家賃が2万円以上安くなることもあるようなので、申請方法とともによく確認しておきましょう。
出典
東京都住宅政策本部ホームページ
一般財団法人札幌市住宅管理公社 市営住宅に関するQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
