都営住宅への入居を検討していますが、家賃に「2万円ほど」幅が設けられているようでした。どのような基準で家賃が決まるのでしょうか?
都営住宅は、所得が一定基準より低く住宅に困窮している人のための住宅です。そのため、一般的な賃貸物件に比べて家賃が安いという特徴があります。
本記事では、都営住宅の家賃が決まる基準や家賃に幅が設けられている理由とともに、所得区分ごとの家賃の目安についてもご紹介します。
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都営住宅の家賃は何を基準に決まる?
都営住宅の家賃が決まる基準には、住宅の立地条件や広さ、建築年数などがあります。例えば「2K・37平方メートル・建設年度平成19年の部屋」と「2DK・40平方メートル・建設年度平成20年の部屋」では、家賃に違いがあります。
もうひとつ、家賃決定に関係してくるものが、世帯の所得金額です。
年間所得金額に応じた所得区分が設けられており、1区分から4区分までが「一般区分」、1区分から6区分までが「特別区分」とされています。「特別区分」に該当するのは心身障害者を含む世帯や60歳以上の世帯、高校修了期までの子どもがいる世帯などで、それ以外の世帯が一般区分です。
今回の事例では「家賃に2万円ほど幅が設けられている」ということですが、これは、同じ条件の部屋でも所得区分によって家賃が異なることが原因でしょう。
都営住宅への入居を検討する際は、自分がどの所得区分に該当するのか確認する必要があります。
所得区分ごとの家賃の目安
東京都住宅政策本部によると、2人世帯で練馬区のある都営住宅に入居する場合の家賃は表1の通りです。
表1
| 所得区分 | 所得金額 | 2DK・36平方メートル 昭和44年度建設 |
3DK・55平方メートル 昭和59年度建設 |
|---|---|---|---|
| 1区分 | 0円~162万8000円 | 1万7600円 | 3万300円 |
| 2区分 | 162万8001円~185万6000円 | 2万1300円 | 3万6800円 |
| 3区分 | 185万6001円~204万8000円 | 2万5200円 | 4万3500円 |
| 4区分 | 204万8001円~227万6000円 | 2万9100円 | 5万200円 |
| 5区分 | 227万6001円~261万2000円 | 3万3700円 | 5万8000円 |
| 6区分 | 261万2001円~294万8000円 | 3万8600円 | 6万6600円 |
出典:東京都住宅政策本部「申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで」を基に筆者作成
表1のように、所得区分が1区分の世帯と6区分の世帯では、家賃に2万円以上の差があることが分かります。
所得が増えると家賃はどうなる?
世帯収入が増えて所得区分が変わった場合は、家賃も上がる仕組みです。
また、都営住宅に引き続き3年以上住んでいて、所得月額が入居収入基準を超えた場合は「収入超過」となり、都営住宅を明け渡すよう努めなければなりません。
さらに、引き続き5年以上入居していて、認定所得月額が最近2年間継続して東京都の定める明渡基準を超えた場合は「高額所得」となり、明渡請求の対象になります。
収入の増減があった場合は、正しく報告しましょう。
同じ条件の部屋でも家賃に幅があるのは「所得区分」の違いが理由
都営住宅の家賃は、住宅の立地条件や広さ、建築年数などが基準となって決まりますが、「世帯の所得金額」も大きく関係します。
所得金額に応じて所得区分が設けられており、同じ条件の部屋でも所得区分によって家賃が2万円以上変わることもあるようです。
所得金額の増減によって家賃が変わることもあるため、収入報告は毎年正しくおこなわなければなりません。収入基準を超えると「収入超過者」や「高額所得者」に該当し、都営住宅の明け渡しが必要になることもあるため、よく確認しておきましょう。
出典
東京都住宅政策本部ホームページ
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
