雨の日に「傘をスタンドに固定」して走る自転車を目撃! 青切符導入で「罰金5000円」らしいけど、傘を持ってなくても“対象”になるのでしょうか?
2026年から導入される青切符で、傘さし運転は反則金5000円が科せられます。では、傘を固定して乗っていても青切符が切られるのでしょうか。
本記事では自転車の青切符制度の概要や、傘スタンドを使った場合の適法性などを解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士
自転車の青切符導入について
車やバイクで一時不停止などの交通違反をして、警察に見とがめられると「青切符」を切られます。自転車での交通違反についても、この青切符が2026年4月から適用されるようになります。
自転車が関わる交通事故が多い点や、その際に交通違反が多くみられる点などが青切符導入の理由です。現在は、自転車で交通違反をすると「指導警告」または「赤切符」で処理されます。
一定期間内に反則金を納めると終結する青切符に比べて、赤切符は検察庁に送致されるなど処理が複雑です。罰金などになると前科がつくため、青切符と比べると非常に重い処分だといえます。迅速な処理や、違反に見合った妥当な処分を行うことも、自転車に青切符が導入される理由の1つです。
傘さし運転も青切符の対象?
傘をさしながら自転車を運転して、警察官から注意されたことがある人もいるのではないでしょうか。傘をさしながら自転車を運転する行為について、道路交通法に明確な条文があるわけではありません。しかし、道路交通法第71条に「運転者の遵守事項」があり、その中の1つに「公安委員会が定めた事項」を守らなければならないとされています。
「公安委員会が定めた事項」は、各都道府県の道路交通法施行細則などで定められています。
例えば、広島県では広島県道路交通法施行細則の第10条第1項第4号に「傘を差す、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失う恐れのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」と定められており、これによって傘さし運転が禁止されています。
青切符が導入されると「公安委員会遵守事項違反」として反則金5000円の違反です。
傘スタンドは違反になる?
傘を自転車に固定する「傘スタンド」であれば、傘を持っていないから違反にならないのでは? と思うかもしれません。これは都道府県によって見解が異なるようです。前出の広島県では「視野の妨げや安定を失う恐れのある場合」は違反としています。
大阪府では、大阪府道路交通規則に広島県のものとほぼ同様の条文があります。その一方、大阪府警察では、傘を固定していれば片手運転にならないものの、ほかの条文の違反になる可能性があるともしており、いまひとつはっきりしません。
しかし、仮に違反にならないとしても、傘スタンドを使った自転車の運転は危険です。風にあおられると不安定になりますし、傘の端が歩行者などと接触する恐れもあります。雨の日に自転車を運転するのであれば、雨がっぱを着たほうがよいでしょう。
まとめ
自転車の交通違反や事故が増えているため、2026年4月から自転車の運転にも青切符が導入されます。傘さし運転は青切符で処理される違反の1つで、反則金は5000円です。傘をスタンドなどで固定した場合も、都道府県にもよりますが、違反になる可能性が高いでしょう。
違反にならないとしても、傘を固定した自転車の運転は、手持ちによる傘さし運転と同様に危険です。雨の日は、雨がっぱを着て自転車に乗りましょう。
出典
e-Gov法令検索 道路交通法
広島県法規集(広島県) 広島県道路交通法施行細則
警察庁 自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額
広島県警察 自転車交通ルール|改正について
大阪府例規集 大阪府道路交通規則
執筆者 : 山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士
