子どもが独立後、9年落ちの「トヨタ・ルーミー」を手放したら、20年間でいくら“節約”できる?「車検・保険料・ガソリン代」維持費をもとに試算

配信日: 2025.09.14 更新日: 2025.09.26
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子どもが独立後、9年落ちの「トヨタ・ルーミー」を手放したら、20年間でいくら“節約”できる?「車検・保険料・ガソリン代」維持費をもとに試算
子どもが独立すると、家族で出掛ける機会が減り、車の利用頻度も大きく減る家庭は多いのではないでしょうか。
 
一方、トヨタ・ルーミーのような人気のファミリーカーも、維持するだけで車検や保険料、ガソリン代など固定費が毎年発生します。特に9年落ちの中古車ともなれば修理費のリスクも増え、負担は増していきます。
 
もし思い切って手放した場合、20年間でどの程度の節約効果があるのでしょうか。本記事では、トヨタ・ルーミーを例に、車を手放した場合にどの程度の節約効果が期待できるのかを試算します。
諸岡拓也

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

車を維持するための固定費とは?

車を所有し続けると、さまざまな固定費がかかります。まず大きいのが車検代です。普通車に分類されるルーミーでは、楽天carによれば、車検価格の全国平均は6万4100円です。つまり、2年ごとに約6万5000円が必要です。
 
さらに任意保険料は年齢や等級によって差がありますが、一般的に30代以上であれば年間5~8万円前後になるケースが多いです。自動車税も排気量に応じて決まっていて、ルーミーが該当する1000~1500ccクラスでは3~4万円程度が目安になります。
 
駐車場代を月1万円とすれば、年間12万円。これらを合算すると、固定費だけでも年間24~27万円です。仮に20年間であれば「480~540万円の固定費」がかかります。
 
子育てが一段落すると車の使用頻度は下がり、近所の買い物程度に限られることも多くなります。にもかかわらず、固定費はほぼ変わりません。つまり「乗らないのにお金だけが出ていく」状態となり、老後に向けた資産形成を阻害する大きな要因になり得ます。
 

ルーミーを手放すと20年間でいくら節約できる?

さらに、日常的にかかるガソリン代を足すと、どうなるかを考えてみます。図表1のとおり、ルーミーのカタログ燃費は21.8~24.6キロメートル/リットルです。
 
図表1

図表1

トヨタ自動車株式会社 トヨタ認定中古車 ルーミー(トヨタ)の車両情報
 
そして、経済産業省によると、図表2のとおり、2025年9月8日現在のガソリン小売価格174.8円/リットルです。
 
図表2
図表2

経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
 
また、一般社団法人日本自動車工業会が公表している「2023年度乗用車市場動向調査」によれば、図表3のとおり、日本国内の月間走行距離の平均は362キロメートルです。
 
図表3
図表3

一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
 
つまり、前提条件としては以下のとおりです。
 

・燃費は21.8~24.6キロメートル/リットル
・ガソリン価格は174.8円/リットル 
・年間走行距離は4344キロメートル

 
単純計算で1年間の燃料費は約3万1000~3万5000円になります。これを20年間に換算すると、燃料費だけで「約62万~70万円」に達します。
 
つまり、ルーミーを手放すと「約480万~540万円の固定費」と「約62万~70万円の燃料費」を合わせて「542万~610万円の節約」になるという試算です。
 

手放した後の移動手段はどうする?

節約効果が見込める一方で、多くの人が気になるのは「車がなくなったら生活に不便はないのか」という点ではないでしょうか。
 
近年は交通インフラが進化し、移動の選択肢は広がっています。カーシェアであれば、アプリで予約から利用まで完結できます。1時間数百円から利用できるため、月に数回の利用なら大きな負担にはならないのではないでしょうか。
 
また、スーパーの宅配サービスやネット通販を利用すれば重い荷物を自宅まで届けてもらえます。
 
しかし、地域によっては公共交通機関の減便・廃止、スーパーの宅配サービスの対象外ということもあります。そういった場合、主な移動手段はタクシーになるでしょう。
 
タクシーというと「費用が高くなるのでは」と不安に思うかもしれませんが、自動車を手放すことで年30万円近く浮くと考えられます。また高齢になってから運転するリスクを減らせるのであれば、決して高くはないのではないでしょうか?
 

固定費削減が老後の安心につながる

車を手放す最大のメリットは、固定費が減り、家計に余裕が生まれることです。老後は収入を増やすのが難しいからこそ、年間30万円以上の節約は生活を安定させる大きな力になります。節約できた資金は、貯蓄や運用に回せば老後の医療費や住宅費に備えることも可能です。
 
つまり、車を手放すという選択は、単なる節約ではなく「安心して暮らすための戦略」といえるでしょう。
 

出典

トヨタ自動車株式会社 トヨタ認定中古車 ルーミー(トヨタ)の車両情報
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査
 
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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