祖父の遺品整理をしていたら「明治9年」の銀貨が出てきました。売るとどのくらいの値段になるのでしょうか?
本記事では、この銀貨の正体や特徴、そして気になる相場や売却時の注意点について解説します。
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明治9年に製造されたのは「貿易銀」である可能性が高い
明治9年は「貿易銀」と呼ばれる銀貨の発行が行われており、また「新一圓銀貨」も同時期に製造・発行されています。
貿易銀は海外との決済を目的として作られた通貨で、1875(明治8年)から1877(明治10年)ごろに発行されました。直径は約38.6ミリ、重さは約27.2グラムと大きめで、銀の品位は90%。表面には「貿易銀」の文字と菊の紋章、桐の葉が刻まれ、裏面には龍のデザインとともに「TRADE DOLLAR」「420 GRAINS」「900 FINE」などの刻印が入っています。
貿易銀には通常の一圓銀貨にある「一圓」の文字はありません。これが両者の分かりやすい違いです。同時期に国内外用の「新一圓銀貨」も製造されていましたが、用途やデザインが異なります。
貿易銀の相場と価値
気になるのは「売ったらいくらになるのか」という点でしょう。貿易銀の価値は保存状態によって大きく変動します。
・美品(ある程度摩耗):5万円~6万円程度
・極美品(細部鮮明):8万円~12万円程度
・準未使用:12万円~15万円程度
・未使用品:15万円~20万円以上も稀に見られる
また、年ごとの発行数によっても価値に差があり、明治9年は比較的多く出回ったため突出して高額になることは少ないものの、状態が良ければ十分高値がつきます。さらに「大桐」「短支脈」など、デザインにわずかな違いがある変種は数十万円以上になるケースもあります。
真贋の見分け方と注意点
人気がある分、偽物や模造品が出回っているのも事実です。簡単にできるチェックポイントとしては、以下のような点があります。
・重さや大きさ
本物は約27.2グラム、直径38.6ミリ。極端に軽い・重い場合は注意。
・厚み
本物は約2.6ミリ。3ミリを超えるものは偽物の可能性が高い。
・刻印の鮮明さ
線がはっきりしていない、文字がつぶれているものは偽物の疑い。
・シークレットマーク
縁のギザギザ(馬の歯)の一部に細い刻みがあるなど、本物ならではの特徴がある。
とはいえ、素人が完全に真贋を判断するのは困難です。必ず専門業者に鑑定を依頼するのが安心です。
売却するときのポイント
売却を考える際に大切なのは、状態を損なわないことです。汚れが気になっても自分で磨いたりせず、そのままの状態で鑑定に出す方が高額査定につながります。素手で触らず、コインケースなどに入れて保管しておくのがおすすめです。
売却先としては古銭専門の買取店やオークション、信頼できる業者への依頼が一般的です。複数の業者に査定を依頼すれば相場感がつかめ、納得できる価格で手放すことができるでしょう。
まとめ
「明治9年の銀貨」として見つかったものの正体は、多くの場合「貿易銀」です。状態によっては数万円から20万円以上の価値を持ち、場合によってはさらに高額になることもあります。
遺品整理で出てきた一枚の銀貨は、家族の歴史を語る思い出であると同時に、資産価値を秘めたコレクションでもあります。あなたの家にも、思わぬお宝が眠っているかもしれません。
※2025/9/25 タイトル・記事の一部を修正いたしました。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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