10歳の息子のスマホ料金が“3万円”…! ゲームアプリに課金していたようですが、「親の同意なし」の課金は取り消せるでしょうか?

配信日: 2025.09.20 更新日: 2025.09.26
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10歳の息子のスマホ料金が“3万円”…! ゲームアプリに課金していたようですが、「親の同意なし」の課金は取り消せるでしょうか?
息子さんが親の同意なしでゲームアプリに課金し、請求額が3万円に達していたとき、多くの親は「取り消せるのか」「返金してもらえるのか」を真っ先に知りたくなるでしょう。
 
本記事では、未成年者取消権の仕組みから実際の取消・返金の可能性、手続きの進め方、予防策まで、親として知っておきたい事項を解説します。
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未成年者取消権とは? 親の同意なしなら契約を取り消せる可能性あり

まず知っておきたいのが、「未成年者取消権」という制度です。
 
日本の民法では、未成年(18歳未満)が親などの同意を得ずに契約した場合、その契約はあとから取り消せるとされています(民法第5条)。これは未成年者を守るためのルールです。
 
この制度に当てはまると、ゲームアプリでの課金も「契約」とみなされ親が同意していなければ課金そのものを「なかったこと」にできるという仕組みになります。
 
10歳の子どもが、自分だけでゲームアプリに課金した場合、保護者の同意がなければ取り消せる可能性は十分にあります。
 

取り消せるかどうかはケース次第。判断のポイントはここ!

ただし、すべてのケースが自動的に取り消されるわけではありません。以下のような要素が関係してきます。

■ 取り消しが認められやすい例

・課金したのが10歳など、年齢的に判断力が明らかに未熟な場合
 
・課金に保護者の同意が一切なかった
 
・使用していたのは子ども専用のスマホやタブレット
 
・年齢確認の仕組みが甘かった(例:年齢入力だけで通る)

 

■ 取り消しが難しくなるケース

・子どもが意図的に「18歳以上」などと年齢を偽って登録していた(これは「詐術」と見なされ、取消できない)
 
・親のスマホやクレジットカードを使っていた(親の管理責任を問われる可能性がある)
 
・お小遣いの範囲内の少額(数百円〜数千円)で、反復的な課金でなかった場合

つまり、「親の同意なし」+「未成年が明らか」+「高額」という条件がそろうと、取り消しが認められる可能性が高まります。
 

実際に取り消し・返金してもらうには?ステップごとの対応方法

では、どうやって課金を取り消してもらうのでしょうか。以下の流れで対応するとスムーズです。
 
1.課金の内容を確認・整理
 

・いつ/いくら課金されたのか
 
・どのアプリ/どのプラットホーム(Apple/Googleなど)での課金か
 
・使用端末やアカウントは誰のものか(子ども専用?親のスマホ?)
 
・明細・スクリーンショットなど、証拠を残す

 
2.プラットホームやゲーム会社に連絡
 

・Appleサポート(App Storeの購入)
 
・Google Playヘルプ(Googleアカウント経由の課金)

「10歳の子が私の知らぬ間に課金していた。未成年者取消権に基づき、契約の取消をお願いしたい。」
 
このように、「未成年による無断課金」であることを伝えましょう。
 
3.消費生活センターに相談する
 
自分で交渉が難しいと感じた場合は、地域の「消費生活センター」に相談を。公的機関が間に入り、解決に向けたサポートをしてくれます。全国共通:188に電話すれば最寄りのセンターにつながり、必要に応じて、返金の交渉までサポートしてもらえます。
 
4.どうしても解決しないときは弁護士へ
 
対応がこじれたり、返金拒否されたりした場合は、弁護士へ相談するのも選択肢です。費用はかかりますが、法的に強い立場で交渉ができます。
 

同じことを繰り返さないために!家庭でできる予防策

一度返金できても、「またやられるかも」と不安になりますよね。そこで、未然に防ぐためのポイントを押さえておきましょう。
 
・ペアレンタルコントロールの設定
 
→ iPhone、Androidともに設定可能。課金前に親の承認が必要になります。
 
・アカウントと決済情報の管理
 
→ クレジットカードを子どものアカウントに登録しない。顔認証・指紋認証の設定を見直す。
 
・家庭内ルールの明確化
 
→ 「課金は必ず親に相談する」「お小遣いの範囲でしか使わない」などルールを決める。
 
・子どもと話す時間を持つ
 
→ 「なぜ課金したのか?」「どんな気持ちだったのか?」を聞くことで、子どもの行動背景を理解しやすくなります。
 
予防策をしっかりとれば、同じようなトラブルを大きく減らせます。
 

返金の可能性は十分。まずは落ち着いて行動を

10歳のお子さんが、親に無断で3万円を課金してしまったとき、まずは驚きや怒りよりも、「どのように対応すべきか」に目を向けましょう。
 
何よりも大切なのは、「親子の信頼関係」です。スマホやゲームは便利で楽しい一方、金銭的リスクもあります。
 
このトラブルをきっかけに、家庭でのルールづくりや対話を見直すチャンスにできれば、単なる“返金対応”以上の価値があるはずです。
 

出典

京都市消費生活センター 知っておきたい未成年者契約の取消し
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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