中古の「iPhone SE」を使う娘から「iPhone17が欲しい」と言われた! 中学生に“12万円”のスマホは高価すぎますよね?

配信日: 2025.09.21 更新日: 2025.09.26
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中古の「iPhone SE」を使う娘から「iPhone17が欲しい」と言われた! 中学生に“12万円”のスマホは高価すぎますよね?
毎年9月は、Appleの新製品発表に世界中の注目が集まる季節です。9月9日に公式発表された「iPhone 17」と「iPhone 17 Pro」も大きな話題を呼んでいます。発表後、子どもから最新機種をおねだりされたという人も多いのではないでしょうか。
 
最新型のiPhoneは、現代の中高生にとって「必需品」なのでしょうか。今回は、Appleの公式発表に基づき「iPhone 17」の性能や価格と、第三世代のiPhone SEと比較するとともに、中高生にとって新型iPhoneを持つことの意味を考えてみましょう。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

最新iPhone 17vs定番iPhone SE(第3世代)スペック比較

第3世代iPhone SEと比較すると、最新のiPhone 17はどのように進化しているかをまとめてみました。(図表1)
 
図表1

図表1

Apple公式発表資料より筆者作成
 
プロセッサやカメラなどに、すべての面で大幅なスペックアップが見られます。また、表には記載していませんが、画面サイズはiPhone SE が4.7インチに対しiPhone 17は6.3インチと、非常に大型化が進みました。
 
さらにバッテリー容量も、ビデオ再生で15時間→30時間と、持続時間は2倍となっています。一方、価格面でも2倍以上となっており、中高生の子を持つ親にとっては頭が痛いのではないでしょうか。
 
発表後、特にネット上で批判が多く出たのが「物理的なSIMカードを廃止し、eSIMに1本化」したという点です。
 
スマートフォン本体が故障した際、物理的SIMであれば別のスマートフォンに挿し替えて緊急的に対応できますが、eSIMのみであると対応しづらいことや、Androidとの乗り換えが煩雑になるケースが主なデメリットとして考えられます。この点については、実際の運用において、トラブルが頻発しないかを見てみたいところです。
 

中学生が最新のiPhoneを持つ必要はあるの?

iPhone 17とiPhone SE(第3世代)には、数世代分の技術的な隔たりがあり、性能差は歴然です。しかし、その性能は多くの中高生にとって本当に必要なのでしょうか。筆者としては極めて疑問に思っています。
 
中学生がスマートフォンを主に使用するのは、「LINEやSNS」「YouTubeやTikTokなどの動画視聴」「友人とのオンラインゲーム」「学習での調べ物」といった場面ではないでしょうか。
 
結論から言えば、これらの用途はiPhone SE(第3世代)が搭載するA15 Bionicチップの性能があれば、今後数年間は快適にこなし続けることができると思えます。
 
筆者の長女が、高校生になって初めて手に取ったスマホは中古の「iPhone SE 第2世代」でしたが、購入から3年近くたった現在も、三女へのおさがりとなっていまだに現役で使用されており、使用に問題は起きていません。
 
iPhone 17に搭載されたA19 BionicチップのAI処理能力やプロレベルのカメラ機能は、中高生の日常利用においてその真価を発揮する場面はほとんどない、明らかなオーバースペックと言えるでしょう。
 
子育ての視点において、高価な最新モデルを子どもが持つことには、以下のようなリスクが起きうることも考慮すべきと思えます。
 

●子どもの金銭感覚への悪影響

高性能モデルでは20万円近くする商品を努力なく買い与えられる体験は、決して良い面だけではありません。
 

●紛失・破損のリスク

スペックが高くなるほど修理代も高価になる傾向があり、スマホを雑に扱いがちな中高生に与える場合はさらにリスクが高くなります。
 

●友人関係のトラブル

高価な機種を持つことにより、かえって友人間で浮いてしまうこともあります。
 

頭ごなしに「ダメ!」ではなく、親子で話し合う機会に

とはいえ、子どもの「欲しい」という純粋な気持ちを、頭ごなしに「高いからダメ!」と否定するだけでは、親子関係をこじらせてしまうかもしれません。
 
子どもから新型iPhoneなどの高価な商品をねだられたときは、親子で「お金」や「モノの価値」「情報リテラシー」などについて話し合う良い機会と捉えてみてはいかがでしょうか。
 
以下のような手順で話し合いをしてみれば、親子ともになにかの気付きが得られるかもしれません。
 

(1)まずは子どもの言い分を聞く

なぜ新型iPhoneが欲しいのか、その理由をじっくり聞いてみましょう。「みんなが持っているから」という言葉の裏には、「仲間外れにされたくない」というような切実な思いが隠れているのかもしれません。
 

(2)子どもと一緒に情報を調べる

今回紹介したような公式情報やスペック表を一緒に見ながら、「新型iPhoneでなければできないことは何か?」「SEではダメな理由は何か?」を冷静に話し合ってみましょう。
 

(3)費用負担のルールを決める

「もし買うなら、本体代金の一部はお年玉やお小遣いから出す」「毎月の通信料金の超過分は自分のお小遣いから払う」など、費用の一部を負担させることで、モノの価値やお金の大切さを教えるきっかけになります。
 
筆者の場合は、携帯電話購入に対する親の費用負担を「上限6万円」と定めて子どもに機種を選ばせたところ、本人は旧型のiPhone SEを選択し、6万円との差額を現金で受け取りました。
 

(4)代替案を提示する

「iPhone 17はさすがに無理だけど、iPhone SE(第3世代)ならすぐに買ってあげられる」「Apple認定の整備済製品で、少し前のProモデルを探してみるのはどう?」など、親として実現可能な代替案を示し、お互いの妥協点を探ることも大切です。
 

まとめ

Appleの発表で話題となったiPhone 17は、多くの中高生にとって、性能・価格の両面から見てオーバースペックであると言わざるを得ません。現在も販売されているiPhone SE(第3世代)でも、彼らのスマートフォンライフは十分に満たしてくれるでしょう。
 
大切なのは、どの機種を選ぶかという結論そのものよりも、そこに至るまでのプロセスです。スマートフォンの買い替えを、単なる消費行動で終わらせるのではなく、親子でコミュニケーションを深め、子どもが情報社会を生き抜く力を学ぶための貴重な機会として活用してみてはいかがでしょうか。
 

出典

Apple プレスリリース 2025年9月9日 Apple、iPhone 17を発表
Apple サポート iPhone SE (第3世代)-技術仕様
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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