認知症の母、いろいろなことができなくなってきました。もったいないので母名義のスマホと新聞を解約したいのですが、娘の私でもできますか?

配信日: 2025.09.23 更新日: 2025.09.26
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認知症の母、いろいろなことができなくなってきました。もったいないので母名義のスマホと新聞を解約したいのですが、娘の私でもできますか?
高齢の母が認知症を患い、日常生活の多くが困難になっているなか、スマホや新聞などの契約は母名義のままで、使われていないのに料金だけが発生している状態というのはよくあるケースです。
 
本人が意思表示できない場合でも、家族が対応できる方法があるのか、ショップや窓口での確認の仕方について確認しましょう。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

スマホの解約について

■基本的な考え方

携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンクなど)は、原則として契約者本人による解約を求めます。ただし、認知症などで本人が手続きできない場合は、“家族が”代理で解約できる方法が用意されています。
 
準備するものについては以下のとおりです。

●母親のスマホ本体(SIMカードが入っていればOK)
●あなたの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
●母親の本人確認書類(保険証、マイナンバーカードなど)
●委任状(可能であれば)または事情説明書

次に、店舗での対応です。
 
ショップに行く前に、予約をして説明するとスムーズです。また、実際に店舗に行った際は、ショップ側が「確認書」という書類の記入を求める場合があります。これは委任状の代わりに、代理人が責任を持って解約することを示す書類です。
 

新聞の解約について

新聞は、地域販売店との直接契約か、新聞社とのオンライン契約かによって対応が異なります。まずは契約書や領収書を確認し、どこに連絡すればよいかを把握してください。
 
解約の申し出方法については、以下のように伝えるといいでしょう。
 
「母親が認知症で新聞を読むことができなくなりました。契約者は母ですが、娘の私が代理で解約したいと思っています」
 
販売店によっては、本人確認書類や委任状を求められることもありますが、事情を丁寧に説明すれば柔軟に対応してくれるケースも多いです。

解約時に用意しておく情報

●契約者名(母親の氏名)
●配達先住所
●購読している新聞名
●解約希望日(例:今月末で終了したい)

このときには、以下のポイントに留意してください。

(1)口座引き落としの場合は、停止手続きも忘れずに進めてください。
(2)返却物(購読特典など)がある場合があるかもしれませんので、確認しましょう。

 

成年後見制度の活用も検討

今後、母親の財産管理や契約手続きが頻繁になることが考えられます。その場合に備えて、“成年後見人”の選任も視野に入れると安心です。
 
家庭裁判所で申し立てを行い、法的に代理権を持つことができます。時間や費用がかかりますが、いったん決定されると今後も発生が見込まれる金融機関や契約会社とのやり取りもスムーズになります。
 

まとめ

認知症のご家族の契約を代理で解約する際は、本人の意思確認が難しい状況でも、事情を丁寧に説明すれば柔軟に対応してもらえることが多いです。スマホや新聞の契約先に連絡し、必要書類や手続き方法を確認しましょう。
 
委任状が用意できない場合でも、診断書や介護認定書などで状況を伝えることで解約が可能になるケースもあります。長期的には成年後見制度の活用も検討すると安心です。
 

出典

厚生労働省 成年後見はやわかり 成年後見制度とは
 
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者

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