「1円スマホ」を契約したのに…2年後に端末の返却を忘れて「6万円」支払うことに!1円スマホの落とし穴とは?
本記事では、1円スマホの仕組みと注意点について、契約前に知っておきたいポイントを解説します。
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「1円スマホ」の仕組みは「残価設定型」
近年の「1円スマホ」は一括購入ではなく、多くが「残価設定型」の分割プログラムです。
残価設定型とは、端末代金を48回払いで契約し、25ヶ月目以降に端末を返却すれば、残りの支払いが不要になる仕組みを指します。1円スマホでは、この分割方法の24回目までの支払額を1円に設定し、25回目以降48回目までの残価の比重を大きくしていることが特徴です。残価と引き換える形で端末を返却することで、実質毎月1円の支払いで利用できるのです。
つまり実態は「購入」とはいえず、「2年間の利用後に返却を前提としたレンタル」に近い仕組みといえるでしょう。
契約前に確認すべき3つの落とし穴
1円スマホは、単にその場で1円を支払って端末を購入するといったものではありません。1円スマホを利用するには条件や注意点が伴います。特に見落としやすい落とし穴については、次の3点です。
1. 返却忘れで残価請求
1円スマホは残価設定型の契約となっています。多くは2年間の満了となる24ヶ月目までが1円や安い金額設定になっているようです。そして24ヶ月経過で端末を返却すれば、残りの残債は免除される仕組みとなっています。
そのため、返却を忘れると免除されるはずだった25回目以降の残価を支払うことになります。端末が現金一括購入で7万5096円の機種の場合、1ヶ月1円で24回支払いをしているため、残り7万5072円の支払いが生じることになります。
2. 端末の状態で追加費用
1円スマホを活用し、24ヶ月で返却をしたとしても、24ヶ月の24円で利用できないケースもあるようです。
返却時に、画面割れや水没など電話会社の査定基準を満たしていない場合、無償での返却が認められず、修理費を請求される場合があります。日頃からケースや保護フィルムで保護しておくことが大切といえるでしょう。また、外観の傷やバッテリーの劣化も査定に影響する可能性があるため、普段から丁寧に扱う必要があります。
補償サービスに加入している場合、サービスを活用して事前に修理しておくと査定時の追加支払いのコストを下げられるケースもあるでしょう。
3. 条件付きプランの加入
1円端末は特定の料金プランやオプション加入とセットになっていることが一般的です。端末代は安くても、通信費が高額になれば総支出は膨らむ可能性があります。契約後に料金プランを変更してしまうと、1円スマホの条件を満たせなくなり、通常の端末料金に変更となる可能性があるとされています。
契約前に「最低利用期間」や「解約時の違約金」の有無を確認しておけば、プランに関するトラブルを避けられるでしょう。
「1円」は購入価格ではなく「レンタル料」といえる
1円スマホの本質は「1円で買える」のではなく「返却を前提に2年間利用できる」仕組みです。契約時に「いつまでに返却が必要か」「端末の状態基準」「返却方法」を確認し、忘れないように記録しておくことが欠かせません。
条件を守ればお得に使える制度ですが、返却を忘れたり端末を壊したりすれば、数万円の追加出費になるリスクがあります。また、プラン変更により1円での分割条件を満たさなくなるケースもあり、注意する点もあります。広告のインパクトに惑わされず、仕組みを理解したうえで契約を判断することが賢い選択といえるでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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