「QRコード決済」を使いすぎるとお金がなくなる!? 無意識にお金が消えるワケを解説
現金を持ち歩く必要がなく、スマホやカードをかざすだけで支払いが完了する利便性の高さが利点である一方、使いすぎる可能性があるのが難点です。
本記事では、キャッシュレス決済の中でも、QRコード決済で無意識にお金を使いすぎてしまう理由や対策を紹介します。
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目次
QRコード決済はお金を使う感覚が薄く、不要な買い物をしてしまいがち
QRコード決済でお金を使いすぎる要因として挙げられるのは、お金を使った感覚が薄いことと、魅力的なキャンペーンの開催です。
スマホをかざすだけで支払いが完了するため非常に利便性が高い分、使いすぎるリスクがあります。また、キャンペーンのお得感に惹かれて、不要な買い物をしてしまうこともあるかもしれません。
QRコード決済は財布を取り出す必要がなく、スマホの画面を見せるだけで支払いが可能です。基本的にATMを使用して現金を入金する必要はなく、クレジットカードとの同期や銀行口座と紐づけする方法などで完了します。
スマホ上で入金から決済までが完結するため、現金の増減を目にすることがない分、お金を使用していると実感しにくく、使いすぎにつながる可能性があります。
また、ポイント還元や抽選でのポイントプレゼントなど、魅力的なキャンペーンも要因のひとつです。うまく活用すればよりお得に買い物ができますが、ポイントの獲得や抽選に応募することなどを目的に不要な買い物をしてしまうケースも考えられます。
便利な決済方法ですが、メリットだけではないことを知っておきましょう。
普及し続けているキャッシュレス決済での支払い
経済産業省の発表によると、2024年のキャッシュレス決済額は141.0兆円で、2010年から右肩上がりで上昇しています。表1は、2017年から2024年の8年間におけるキャッシュレス決済額とキャッシュレス決済比率の推移です。
表1
| キャッシュレス決済合計額 | キャッシュレス決済比率 | コード決済額 | 民間最終消費支出 | |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | 64.7兆円 | 21.3% | - | 303.3兆円 |
| 2018年 | 73.5兆円 | 24.1% | 0.2兆円 | 305.2兆円 |
| 2019年 | 81.9兆円 | 26.8% | 1.0兆円 | 305.8兆円 |
| 2020年 | 85.8兆円 | 29.7% | 3.2兆円 | 288.6兆円 |
| 2021年 | 95.0兆円 | 32.5% | 5.3兆円 | 292.0兆円 |
| 2022年 | 111.0兆円 | 36.0% | 7.9兆円 | 308.5兆円 |
| 2023年 | 126.7兆円 | 39.3% | 10.9兆円 | 322.4兆円 |
| 2024年 | 141.0兆円 | 42.8% | 13.5兆円 | 329.8兆円 |
出典:経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」を基に筆者作成
キャッシュレス決済全体の決済額は、2017年から2024年までの8年間で約2倍に拡大し、比率は40%を超えました。
コード決済も、2018年は0.2兆円でしたが2024年は13.5兆円と、7年で数十倍にも増加しています。表1から、コード決済を含むキャッシュレス決済が広く普及し続けていることが分かるでしょう。
QRコード決済でお金を使いすぎないようにする工夫
最後に、QRコード決済でお金の使いすぎを防止する工夫について紹介します。支払いが簡単にできて便利ですが、使いすぎてしまいがちというデメリットもあります。日頃からQRコード決済を使用する方はぜひ参考にしてみてください。
オートチャージ機能をオフにする
まず、残高が一定額を下回ると自動で入金される「オートチャージ機能」の設定をオフにする方法が挙げられます。
オートチャージ機能を使用すると残高を確認することが少なくなるため、お金の流れを把握しづらく、使いすぎやすい状況が発生します。お金を使う感覚と残高が減る感覚をつかんで支出を管理するためにも、特段の理由がなければオートチャージ機能はオフにすることがおすすめです。
定期的に利用金額を確認する
定期的に利用金額を確認しましょう。使いすぎを改善するためには、現状把握が欠かせません。QRコード決済のアプリには基本的に利用履歴が残るため、利用額と残高をチェックしてください。
支出管理には家計簿アプリが役立ちます。無料で使用できるものも多く、決済サービスと連携させられるアプリもあります。自動で記録してくれるため、手入力する手間を省けることが利点です。一目で利用状況が分かる状態にすることで使いすぎを自覚しやすくなるため、こまめに確認しましょう。
QRコード決済はお金を使用している感覚が薄くなる傾向にあるため使いすぎに注意
QRコード決済はスマホをかざすだけで支払いができ、入金から決済までスマホ上で完結できることからお金を使いすぎてしまいやすい傾向があります。
ポイント還元や利便性の高さが魅力である一方、不要な買い物をしてしまう恐れがあるのが難点です。デメリットを克服するためには、こまめに利用状況を確認して支出を把握するといった工夫が必要です。定期的に利用金額を確認し、QRコード決済を賢く利用しましょう。
出典
経済産業省 2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
