母に“iPhoneの値段”を伝えたら「携帯なのに高すぎる」と絶句! 約13万円とはいえ、長年使うなら“コスパはいい”ですよね? 20年前のガラケーの価格と比較
しかし、スマホが私たちの生活に不可欠なデバイスとなった今となっては、その価格に見合う価値があるのかを冷静に判断する必要があるでしょう。
本稿では、ガラケー時代の携帯電話本体価格と比較しつつ、iPhoneの価格と性能、コスパについて考えてみます。
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
スマートフォンの価格は「高すぎる」のか? 20年前の“ガラケー”と比較
40代の筆者からすると、「ガラケー」時代の携帯電話本体価格は「ものによっては安いが、機種にこだわると安い買い物でもなかった」という印象があります。
当時、筆者はほとんど機種や機能に興味がなかったため、何も考えずに「本体価格1円」の機種を選んでいましたが、当時高性能とされていた最新機種に機種変更しようとすると5万円以上かかるなど、学生にとっては少々手が出にくい価格だったと記憶しています。
「ケータイWatch」の調べた2005年5月の「端末価格調査」によると、au(EZweb端末)の機種では「新規契約」本体価格1円から2万円程度、「機種変更」でも1~5万円程度でした。現在では最新のスマホ(iPhone17)の本体価格は、リーズナブルなものでも約13万円、高性能な機種であれば20万円超と、20年前と比較すると10倍近くにもなっている計算です。
2005年当時は現在と比べ、月額の通信料・通話料が割高だったこと(いわゆる「格安通信料」契約などがなかった)を考えても、全体としての「通信料」は現在のほうが高くなっていると言えそうです。当時のフィーチャーホンの価格が頭に残っている世代が、現在のスマートフォン価格に驚くのは無理のないことでしょう。
高騰を続けるスマホの本体価格。主な原因は?
この価格上昇の要因には、最近急激に進んだ円安の影響に加えて、本体機能の著しい高性能化があげられます。現代のスマートフォンは単なる通話端末ではなく、高性能なCPU、一眼レフに迫るレベルのカメラ機能、一昔前のパソコンを超えるデータ容量などをそなえ、多彩なアプリケーションを実行する「ポケットサイズのコンピューター」と言えます。
その機能向上に伴い、開発コストや部品コストが上昇していることは想像に難くありません。問題は、その高機能をユーザーが十分使いこなせているかという点にあります。
本体価格5万円台で購入した2世代前のAndroid端末を3年以上愛用し、なんの不満も感じていない筆者としては、最新鋭のスマホは一般ユーザーにとってはかなり「オーバースペック」になっており、「新型だから」という理由だけでスマホを買うという行為は、家計にとって大きなマイナスではないかと感じています。
高価で高性能なスマホの「コスパ」を向上させるには?
新型のiPhone端末を買うとして、通信費全体の「コスパ」を向上させるには、大きく分けて以下の2つの戦略があります。
(1)新型端末を長期にわたって保有して、1ヶ月使用分あたりの端末料金を下げる。
(2)新型端末を定期的に買い替え、中古端末は価格が値下がりしないうちに売却する。
一般的には前者のほうが「コスパが良い」とされますが、保有して数年目ともなると、後世代のiPhoneが発表されるなどして、保有スマホが機能面で陳腐化することが気がかりです。
後者は、iPhoneの特徴として挙げられる「高いリセールバリュー(再販価値)」を活用した戦略で、常に最新型の端末を所有できるという大きなメリットがありますが、円安傾向が続き本体価格の上昇が止まらない場合は、負担も大きくなるでしょう。
最終的にはユーザー本人の価値観によって決断するしかないのですが、筆者としては購入を決断する前に、「現在持っている端末は、すでに自分にとってオーバースペックではないか」と考えることを、改めて強調したいところです。
もしそのように感じるのであれば、そもそも新型のスマホ端末を購入する必要はありません。「端末を長年使うなら、コスパは良くなる」ということは事実ですが、その「端末」は新型のiPhoneであるべきなのか、端末のスペック表を見ながら改めて考えてみてはどうかと思います。
まとめ
20年前のフィーチャーホン本体価格と比較すると、現在の新型iPhoneの本体価格は5倍から10倍にもなっており、特に若い世代の家計を圧迫しています。これは、スマホの機能がここ20年で急速に向上していることが大きな要因と言えます。
すでにスマホの機能は、一般ユーザーにとっては「オーバースペック」となっている可能性があります。新型スマホが発表されるとつい買いたくなってしまうのは人情ですが、購入を決断する前に、現在所有しているスマホの機能は自分にとって必要十分であるかを冷静に確認することが重要です。
※ 2025/9/26 記事を一部、修正いたしました。
出典
株式会社インプレス ケータイWatch EZweb端末価格調査 2005年05月19日
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
