お釣りの「1万円札」、手触りが何かおかしい…もし「偽札」だったら警察で本物と交換してもらえる?
今回は、警察へ届け出た場合に偽札を本物と交換できるのか、日本に偽札がどれくらいあるのか、またマジックなどで偽札や本物のお札を使う際の注意点などについてご紹介します。
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偽札は本物と交換できる?
結論から言うと、偽札を警察に届け出たとしても、本物のお札と交換してもらうことはできないようです。ただし、届け出た際に、謝礼金を受け取れる可能性があります。
令和6年6月20日の「国家公安委員会委員長記者会見要旨」内の答弁において、「偽造通貨を発見してこれを警察に届け出ていただいた場合には、必要に応じて、謝金を交付するという制度もございます。」と示されているためです。気になる場合は、偽札を持って行った際に謝金の対象にならないか聞いてみるといいでしょう。
偽札はどれくらい見つかっている?
警察庁が公表している「偽造通貨の発見枚数」の統計によると、令和3~6年の間で発見された偽札の枚数は表1のように変動しています。
表1
| 令和3年 | 令和4年/th> | 令和5年 | 令和6年 | |
|---|---|---|---|---|
| 1万円札 | 2075 | 906 | 583 | 2445 |
| 5000円札 | 11 | 20 | 20 | 158 |
| 2000円札 | 0 | 0 | 0 | 3 |
| 1000円札 | 24 | 22 | 78 | 117 |
出典:警察庁「偽造通貨の発見枚数」を基に筆者作成
令和6年には1万円札だけで、2000枚を超える偽札が見つかっています。そのため、自分の手元に偽札が回ってくる可能性もゼロではないでしょう。
もし偽札を見つけたときは、必ず警察へ届け出ましょう。偽札を使用することは法律で禁じられています。刑法第148条によると、偽札や偽造硬貨を作ったり使ったりした場合、無期または3年以上の拘禁刑が科されると定められているためです。なお、拘禁刑とは、令和7年6月から懲役刑や禁錮刑を廃止して新たに創設された刑罰です。
もし偽札と分かったうえで使用してしまうと、偽札を意図的に使用したとして上記の刑罰が適用される可能性があります。使用するだけでも犯罪なので、見つけた時点で使わずに必ず警察へ届けましょう。
マジックで偽札を使ったりお札を加工したりしてもいい?
歓迎会や忘年会、パーティーなどのシーンでお金を使ったマジックを披露するケースもあります。マジックをするために、マジック用に偽札を用意するのであれば問題ないでしょう。刑法第148条では、刑罰の対象になる条件として「行使の目的で」紙幣や硬貨を偽造したり使用したりした場合だと示しているためです。
行使とは、お金として実際に使用することを意味するため、マジック専用として使う分には問題ないと考えられます。
また、本物の紙幣を使用する場合も、大きく損傷させない限り、お札に多少手を加える程度であれば問題にならない可能性があります。国立印刷局によると、お札に文字を書いたり折ったりする行為は「法令上、直ちに違法な行為とは言い切れません」と示しているためです。
ただし、本物の紙幣に落書きをしたり折ったりすると、レジやATMで読み取れなくなる可能性があるほか、偽札かどうかの見分けもつきにくくなります。こうした理由から、お店で使った際などにトラブルへと発展する可能性も少なくないため、普段使いするお札には文字や折り目を入れない方がいいでしょう。
どうしても本物の紙幣を加工したい場合は、マジック用として別に用意し、日本銀行の支店で交換できるか事前に確認してみてください。
ただし、傷が付いたり汚れたりした紙幣を交換してもらえるのは、条件に合致したもののみです。また、交換しても問題がないか調べるのに時間がかかる可能性もあるため、マジックに使うお金は専用の紙幣レプリカを購入するなどした方がいいでしょう。
本物と交換はできないものの謝礼金をもらえる可能性がある
偽札を見つけたときは、できるだけ早く警察への届け出が必要です。偽札を届け出ると、謝礼金を受け取れる可能性があります。また、本物と交換できないからと使ってしまうと法律に抵触し、刑罰が科される可能性があるため、絶対にやめましょう。
マジック用で偽札を用意したい場合でも、実際にお金として普段使いをしなければ問題ない可能性もあります。ただし、偽札の製造と誤解されないよう、誰が見てもマジック用と分かるようなデザインにしておくことが重要です。
不安がある場合は、自分で作るのではなく、市販されているマジック用の紙幣レプリカを購入することをおすすめします。
出典
国家公安委員会 令和6年6月20日分 国家公安委員会委員長記者会見要旨
警察庁 偽造通貨の発見枚数
デジタル庁 e-Gov法令検索 刑法(明治四十年法律第四十五号) 第二編 罪 第十六章 通貨偽造の罪 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
