保険証の廃止で保険証がない…。12月までにマイナ保険証を作っておかないと、医療費控除や各種助成が受けられなくなることってあるのでしょうか?
そのようななかで、「12月までにマイナ保険証を作っておかないと、医療費控除や各種の助成が受けられなくなるのでは?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、制度変更の流れと、保険証を持っていない場合の医療費や控除・助成への影響、そして今からできる対策について解説します。
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マイナ保険証へ制度変更の流れと現在のステータス
マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みで、2021年から本格的に導入されました。2023年には医療機関や薬局にオンライン資格確認システムの導入が原則義務化され、全国的に対応が広がっています。
2024年12月からは従来の健康保険証の新規発行が終了し、原則としてマイナ保険証に一本化されました。ただし、この時点で有効な保険証は最長で1年間使用できるため、すぐに「全員が保険証を失う」というわけではありません。
厚生労働省の発表によれば、移行期間中は「資格確認書」という代替書類が発行され、マイナ保険証を持たない人でも医療を受けられるように措置が取られています。つまり、2024年12月以降にマイナ保険証を作っていなくても医療は受けられるということです。
保険証がない状態で受診した場合とその後の対応
保険証を提示できずに受診すると、医療機関では「保険診療」として扱えないため、いったん診療費の全額を自費で支払う必要が出てきます。通常は3割負担で済むところが10割負担になるため、金額的には大きな負担になります。
ただし、実際に健康保険に加入している場合は、後日、加入している健康保険組合や国民健康保険の窓口で「療養費」の還付申請をすれば、保険適用分を払い戻してもらうことが可能です。なお、支払った費用の全額が戻るわけではなく、保険適用の範囲や審査結果によります。また、還付申請をする際には、診療明細書や領収書といった証明書類が必要になります。
保険証を忘れても医療費がまったく無駄になることはありませんが、手続きに時間と労力がかかるため、普段から提示できるようにしておくのが安心です。
医療費控除や助成制度への影響はある?
医療費控除や自治体の医療費助成は、多くの人にとって家計を支える大切な制度です。では、マイナ保険証を作っていないことで、こうした控除や助成が受けられなくなる心配はあるのでしょうか。本章では、その関係性を整理してみましょう。
医療費控除について
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得控除を受けられる制度です。マイナ保険証を使っていなくても、領収書をきちんと保管して集計すれば、控除を受けることができます。
一方でマイナ保険証を利用していれば、「医療費通知情報」がマイナポータルを通じて取得でき、確定申告に自動入力されます。そのため手作業での入力が減り、記入ミスや漏れを防げるのが大きなメリットです。
結論として、マイナ保険証がなくても医療費控除は受けられます。ただし、手続きが煩雑になりやすく、時間や労力の面で不利になる可能性があります。
各種助成制度について
子どもの医療費助成や高齢者・障害者向けの医療費助成などは、基本的に保険に加入していることを前提に支給されます。多くの場合は保険証の提示が必要ですが、マイナ保険証でなくても有効な保険資格を確認できれば助成は受けられます。
ただし、従来の保険証の廃止に伴い、マイナ保険証や資格確認書での確認に移行が進んでいます。自治体ごとに取り扱いが異なるため、事前に自治体窓口で確認しておくと安心です。
マイナ保険証未登録時のリスクと今できる対策
現時点では、12月までにマイナ保険証を作らなければ医療費控除や各種助成が受けられなくなるわけではありません。従来の保険証や資格確認書が利用できるため、制度そのものから排除されることはないのです。ただし、医療機関での窓口負担が一時的に全額となったり、後から払い戻しを請求する手間が増えたりするなど、不便が生じやすい点は否めません。
また、医療費控除についても、マイナ保険証があれば自動入力などで効率的に申告できますが、持っていない場合は領収書を一つひとつ集計する必要があり、負担が大きくなります。
助成制度も自治体によっては確認書類の変更があるため、早めに準備しておくことが安心につながるでしょう。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
