「iPhoneのマイナンバーカード」で“本人確認できない”自治体がある!? 「マイナ保険証」への影響は? 「紙の保険証」の新規発行終了で変化する“医療現場の今”を解説
本記事ではこの「iPhoneのマイナンバーカード」利用について、普及が推進されている「マイナ保険証」の注意点と併せて解説します。
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目次
2025年6月24日から「iPhoneのマイナンバーカード」の提供開始
デジタル庁の発表によると、マイナンバーカードの機能をiPhoneで利用できる「iPhoneのマイナンバーカード」の提供を、2025年6月24日から開始しました。
この機能では、iPhoneの顔認証(Face ID)や指紋認証(Touch ID)を利用して、実物のマイナンバーカードを取り出したりかざしたりすることなく、各種行政サービスを「簡単、安全かつ便利」に利用できるとされています。
また今後、紙の保険証からの移行が進む「マイナ保険証」としての利用や、民間サービスにおける本人確認・年齢確認・住所確認としての利用も順次拡大していく方針も発表されました。
2025年8月5日には、デジタル庁より事業者・自治体向けの「マイナンバーカード対面確認アプリ」において、「iPhoneのマイナンバーカード」の確認機能の提供が開始され、自治体の窓口における本人確認や、イベント・居酒屋など年齢確認が必要なシーンにおいて、前述のアプリをダウンロードしたiPhoneと顧客のiPhoneを近づけるだけで、顧客の承諾のもと、氏名・年齢といった本人情報を確認できるようになっています。
さらに、厚生労働省の発表によれば、2025年9月19日より、機器の準備が整った医療機関・薬局で順次、スマートフォンをマイナ保険証として利用可能になる予定としています。
一部の自治体は「iPhoneのマイナンバーカード」を「本人確認書類」として利用できないと表明
これらの施策により利便性向上が図られる一方、一部の自治体は「iPhoneのマイナンバーカードは(現時点で)本人確認書類として利用不可」という趣旨の声明を発表している点には注意が必要です。
例えば、東京都立川市の公式Webサイトにおいては「『マイナンバーカード対面確認アプリ』に対応する機器を新たに準備する必要があるため、現在、本市では『iPhoneのマイナンバーカード』による本人確認を行うことができません」と掲載されています。
他にも神奈川県川崎市・東京都三鷹市・大阪府大阪市など、複数の自治体が同様の発表を行いました。
「紙の保険証」の新規発行終了で変化する“医療現場の今”
こうした現場と省庁の足並みがそろわない傾向は、医療機関や薬局におけるマイナンバーカードの「マイナ保険証」としての利用についても同様のことがいえそうです。
2024年12月2日には「紙の保険証」の新規発行が終了し、2025年7月末には「後期高齢者医療保険」を併せ、今後多数の保険加入者が順次健康保険証の有効期限を迎えます。
しかしながら、マイナ保険証への移行が強制ではないことから、東京都渋谷区や世田谷区など一部の自治体では、国民健康保険の加入者全員に「資格確認書」を一斉送付することを発表しています。
また、厚生労働省は2025年6月27日付けの事務連絡において、2026年3月末までの暫定的な措置として、有効期限切れの健康保険証を持参しても、被保険者としての資格確認ができれば、患者に10割負担を求めないと通知しています。
2025年12月2日以降には会社員など、いわゆる「社会保険」の健康保険証が有効期限を迎えることから、対応機器の準備も含め、利用する医療機関や薬局などの状況を事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
「iPhoneのマイナンバーカード」やマイナ保険証の利用のためには現場側が対応機器を導入する必要があるため、対応が一律でない状況はしばらく続くとみられます。利用に不安が残る場合は、運転免許証や資格確認書といった、代替できる書類も用意しておいたほうがよいでしょう。
出典
デジタル庁 「iPhoneのマイナンバーカード」の提供を開始しました
デジタル庁 「iPhoneのマイナンバーカード」を確認できるようになりました
厚生労働省 スマートフォンのマイナ保険証利用について
厚生労働省 健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について
立川市
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
