【衝撃】スマホ購入時「頭金」を払うと“ムダ払い”に!? 同じ機種でも支払い総額「2万円」の差も…総務省も注意喚起する「スマホ購入の注意点」とは
例えば、店舗での端末販売価格が12万円なら、割賦払いは約10万円、残り約2万円は頭金のようになるでしょう。しかし、この頭金は店舗によって「2万円以上」の場合もあれば、「0円」の場合もあるのです。家族全員が同条件で買い替えを続ければ、累計で数十万円の差になる可能性もあります。
本記事では、その実態と損を避けるためのチェック方法を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
同じ機種・同じキャリアでも総額が変わる理由
スマホを購入するとき、同じ機種・同じキャリアなのに支払総額が異なるのは、「頭金」の存在が大きな要因です。
例えば、端末販売価格が12万円の場合、割賦契約で分割できるのは約10万円までで、残り約2万円は店舗で頭金として請求されることがあります。ちなみに、端末の割賦上限額は、各携帯電話事業者が独自に設定しています。
一方で頭金は、法律で一律に定められているものではなく、図表1のとおり、各店舗の裁量に任されているのが実情です。
図表1
総務省 携帯電話端末の販売価格に関する注意喚起~携帯電話端末の購入を検討している方へ~
そのため、ショップBでは2万円必要でも、ショップAでは0円というケースが起こります。購入者側から見ると「同じスマホを買ったのになぜ?」という疑問が残りますが、こうした仕組みを知らなければ、その差額がそのまま無駄払いにつながってしまうのです。
勘違いを生みやすいスマホの頭金と、一般的な頭金の違い
最初にお伝えしておくと、スマホの頭金は、実質的に「余分な支出」となるケースが大半です。分割払いで商品を買う際、一般的には「頭金を払えば残りの分割額が減る」ことになります。
ところが、スマホの販売では仕組みが異なり、頭金を払っても割賦で組む金額は減らず、分割額はそのまま残ります。こうした特殊な仕組みを十分に理解しないまま契約すると、「支払総額を認識していなかった」「店舗によって頭金の有無が違うことを知らなかった」といったトラブルにつながります。
なぜスマホだけ頭金の扱いが異なるのか?
スマホ販売に、この特殊な頭金という仕組みが生まれた背景には、販売代理店の収益構造があります。販売代理店は、端末を売っても大きな利益はなく、主な収入源は通信契約を結ばせた際の手数料や周辺商材の販売です。
しかし、店舗を維持するためには、端末販売からも一定の利益を確保する必要がありました。そこで考え出されたのが、「頭金」です。端末価格に上乗せする形で現金を受け取る仕組みが導入され、顧客獲得競争の中で、慣習として広がったのです。
スマホを頭金なしで購入する方法
スマホを「頭金なし」で購入する方法はいくつかありますが、利用しやすさや確実性を踏まえると次の順番で検討するのがおすすめです。
・キャリア公式オンラインショップを利用する
・キャリア直営店を利用する
・実店舗でオプション加入を条件に値引きを受ける
キャリア公式オンラインショップを利用する
最もおすすめなのは、ドコモ・au・ソフトバンクが運営する公式オンラインショップです。代理店のように頭金の上乗せがなく、不要なオプション加入も求められません。
送料無料や事務手数料の優遇を受けられる場合もあり、費用を最小限に抑えられます。直接相談はできませんが、チャットサポートがあるので、実店舗に行かずとも安心して契約できます。
キャリア直営店を利用する
直営店では、基本的に頭金がかかりません。ただし、全国に数が少なく、都市部に集中しているのが難点です。交通費や時間を考えると、近くに店舗がない場合は、オンラインショップのほうが合理的です。なお、頭金ではありませんが、直営店でも契約事務手数料(3000~4000円程度)が別途発生します。
実店舗でオプション加入を条件に値引きを受ける
一部の販売代理店や家電量販店では、オプション加入を条件に頭金を割り引く仕組みがあります。短期的に頭金を抑えられる一方で、解約を忘れると割高になるリスクがあるため、十分に注意が必要です。
スマホ購入で後悔しないために
スマホは生活必需品であり、今や1人1台が当たり前の時代です。しかし、知識を持たず購入方法を誤れば、数万円の無駄払いを続けることになりかねません。「どこで契約するか」を意識的に選択することが、最も確実な節約術です。
次回の新規購入や機種変更時には、複数の購入先を比べ、自身の生活環境に合わせて決めるようにしましょう。
出典
総務省 携帯電話端末の販売価格に関する注意喚起~携帯電話端末の購入を検討している方へ~
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

