引っ越しのため家を整理していたら繰越済みの「通帳」が何冊も見つかった! すべて処分してしまっても問題ないでしょうか?
本記事では、繰越済み通帳の処分について解説します。
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過去の繰越済み通帳が見つかったら? まずは「用途別に仕分け」と「最長7年保管」の判断軸
引っ越し整理で複数の繰越済み通帳が出てきた場合は、用途(家計・ローン・申告・相続関係)で仕分けし、保管の優先度を決めるのが効率的です。
家計を振り返る予定があるなら2~3年の保管が便利で、ローンを組む予定がある場合は審査で6ヶ月以上の通帳コピーを求められることがあるため、余裕を見て1年以上保管すると対応しやすくなります。
個人事業主・フリーランスの場合は、帳簿書類等を5~7年保存することが義務づけられています。一方、用途がなく、古い届出印などの個人情報リスクが高い通帳は、長期放置より適切な方法で早めに処分した方が安全です。
「全部捨て厳禁」の例
前述の通り、ローン審査対応を控える人は1年間、個人事業主・フリーランスは最大7年間の通帳を保存しておくと安心です。
相続の可能性がある場合は、手続完了まで故人の通帳は厳重に保管し、相続税申告をしたなら税務調査の可能性を見込んでさらに1~2年保持してから処分する流れが実務的でしょう。
生前贈与や配当の入出金など、通帳が資産把握の手がかりになることも多いため、慌てて処分せず全体像の確認を優先しましょう。
「安全な捨て方」の手順と代替策
繰越済み通帳を自己処分する際は以下の3ステップが基本です。
(1)住所・氏名・届出番号・届出印・磁気テープ・口座番号など個人情報にあたる箇所を油性マジックなどで黒塗り
(2)シュレッダーやはさみでできるだけ細かく裁断
(3)新聞紙や不透明袋に包み、他の可燃ごみに混ぜて排出
さらに復元防止を高めるには、別の紙類と混ぜる、回収直前に出す、複数日に分けるといった工夫が有効です。
銀行に処分を依頼する方法もありますが、本来の業務外で対応は金融機関によって異なるため、原則は自分で確実に行う前提で計画しましょう。
もし捨てた後に明細が必要になった場合は、金融機関で取引明細証明書の発行が可能です。例として1ヶ月分が330円だと1年分で約4000円とコストが積み上がるため、処分前に将来用途を再点検しておくとムダを避けられます。
紙の管理を減らしたいなら、通帳レス口座の活用も有効で、最大30年分の明細閲覧に対応している金融機関もあります。
まとめ
繰越済みの通帳については、ローン予定・確定申告・相続などに関係ある人は、最長7年を目途に用途別で残し、それ以外は安全な手順で計画的に廃棄するのが合理的です。迷う場合は、直近1年分+事業や相続に関わる期間の分をキープし、不要分だけを毎月少しずつ処理する運用にすれば、情報漏えいの不安も片づけの負担も分散できるでしょう。
見つかった通帳は、要保存と処分対象に分けて対応し、「デジタル管理+安全廃棄」でスッキリと安心を両立させるのがおすすめです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
