家族4人の「台湾旅行」に“往復3万円”のLCCを予約したいです。夫は「少し高くてもJALかANAがいい」と言いますが、数時間のフライトなら安いほうがいいですよね? 価格・サービスを比較
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種
東京―台北路線は10以上の航空会社が運航
現在、日本と台湾を結ぶ主な航空会社は次の通りです。
・日本航空(JAL)
・全日本空輸(ANA)
・チャイナエアライン
・エバー航空
・スターラックス航空
・キャセイパシフィック
・Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)
・タイガーエア台湾
・ジェットスター・ジャパン
・スクート(Scoot)
・タイ・ライオン・エア
これらのうち、JALやANAなどはFSC(フルサービスキャリア)と呼ばれ、価格は高めですがサービスが充実しています。
一方、LCCとしてはPeach Aviationやタイガーエア台湾などがあり、機内設備の簡略化をはじめとするさまざまな工夫で効率的な経営を行い、価格を抑えています。荷物の預け入れや機内食、機内Wi-Fiといったサービスは提供自体がないか、有料オプションとして利用するようになっています。
FSCとLCCの中間的存在、MCCにも注目
FSC、LCC以外にも、「第三の航空会社」として存在感を高めているのがMCC(ミドルコストキャリア)です。MCCの明確な定義はありませんが、価格やサービスなどの面でFSCとLCCの中間的な位置づけにある航空会社やその運航便を指すことが多いようです。
国内線では、スターフライヤーやスカイマークなどが挙げられます。東京―台北路線でいうと、台湾のスターラックス航空がMCCにあたるでしょう。日本や台湾のほかにも、韓国や香港など、近郊アジアの国々でもMCCが運航しています。
FSCとLCC、MCCはどのくらい価格やサービスが異なるのか、具体的に比較してみます。今回設定した条件は次の通りです。
区間:東京(成田または羽田)-台北(桃園または松山) 直行便
航空会社:FSCとしてJALとANA、LCCとしてピーチ・アビエーションとタイガーエア台湾、MCCとしてスターラックスの計5社
旅行期間A:往路2025年12月30日(火)~復路2026年1月2日(金) 3泊4日
旅行期間B:往路2026年3月4日(水)~復路3月7日(土) 3泊4日
旅行人数:家族4人(全員大人料金)
座席クラス:エコノミー、または各社の最低価格帯のクラス
図表1
※価格は往復料金。Googleのフライト検索サイトで当日出発便の最安値を選択し、合計金額の最安値を表示。機内手荷物には身の回り品を含む。図表の内容は機材や詳細条件等によって異なる場合がある。
筆者作成
図表1の通り、価格を重視するならLCCがお得で、期間AとBの価格差が他社よりも小さいことが見て取れます。ただし、3月4日出発の場合は、LCCのタイガーエアよりもMCCのスターラックスのほうが安価です。機内サービス等については、機内持ち込み手荷物を除き、そのほかのサービスはLCCとそれ以外とで差が見られます。
もしLCCを使い、有料で手荷物預け入れと機内食を往復とも使う場合は、4人でトータル3~4万円程度のプラスになります。そう考えると、フルサービスではないものの基本的なサービスは価格に含まれ、シート間隔もLCCより広めのMCCを選択肢に加えてもよいかもしれません。
条件次第で価格が変動。優先順位を明確にしてから比較を
いわゆるFSCといわれる航空会社でも、時期や出発の時間帯によってはMCCやLCCとあまり変わらない価格だったり、MCCがLCC並みの価格になったりします。また、キャンセル規定や座席指定サービスについても、各航空会社でクラス(チケットの種類)によって条件が細分化されており、どこがよいとは一概に言えません。
航空会社を選ぶ際は、選択肢の多さに迷ってしまわないように、同行者の状況や便振替のリスクなどを考慮に入れ、機内での過ごし方をイメージしましょう。そして、「このサービスは外せない」といった優先順位をいくつか決めたうえで比較検討するとよいかもしれません。
出典
日本航空株式会社(JAL) 国際
全日本空輸株式会社(ANA) 海外エコノミークラスサービスのご案内
スターラックス航空
Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)
タイガーエア台湾
執筆者 : 掛川夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

