「永代供養=一生安心」と思ってたのに…50万円払っても、期間は“30年だけ”なんですか!? 注意点や実際にかかる費用を解説

配信日: 2025.10.05
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「永代供養=一生安心」と思ってたのに…50万円払っても、期間は“30年だけ”なんですか!? 注意点や実際にかかる費用を解説
永代供養と聞くと「一度費用を納めれば一生安心」と思いがちです。
 
しかし実際には、一般的な相場の50万円を支払っても、30年ほどで合祀(ごうし)されるケースが多く、必ずしも永遠に個別で供養されるわけではありません。また「管理費不要」と宣伝されていても、実際には追加費用がかかる場合があります。
 
本記事では、初めて永代供養を検討する人が知っておきたい注意点を整理します。
諸岡拓也

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

永代供養を選ぶ人は増えている

お仏壇・墓石の販売などを手がける株式会社はせがわの調査によれば、永代供養を選ぶ人は増えており、図表1のとおり、近年では一般墓とほぼ同じ割合になっています。
 
図表1

図表1

株式会社はせがわ 令和のお墓事情2024「お墓に関する実態調査」
 
さらに、図表2のとおり、今後お墓の購入や改葬を検討する人の8割以上が、永代供養を視野に入れています。
 
図表2
図表2

株式会社はせがわ 令和のお墓事情2024「お墓に関する実態調査」(PR TIMES)
 

永代供養は「期限付き」が一般的

永代供養とは、子どもや孫といった遺族に代わり、霊園や寺院が長期間にわたって遺骨を管理・供養する仕組みです。お墓の継承を前提としていないため、子どもに負担をかけたくない人や、身寄りのない人に選ばれています。
 
「永代=一生安心」と誤解されがちですが、実際には一定の期限を過ぎると遺骨は合祀されます。合祀とは、ほかの人の遺骨と一緒にまとめて納めることを指し、個別での供養は終了します。なお、合祀される期限は霊園や寺院によって異なります。
 
17回忌(約17年)、33回忌、50回忌などを区切りに弔い上げをし、その後に合祀されるケースが多く見られます。つまり、永代供養とは「ずっと個別に供養される」わけではなく「一定期間を過ぎると合同で供養に切り替わる仕組み」です。
 
特に少子高齢化の中で、子どもに迷惑をかけないためと考える人ほど、安心を求めて永代供養を選びがちです。しかし、「何年後に合祀されるのか」を契約書やパンフレットで確認しないと、後から後悔するリスクがあります。
 

「管理費不要」は誤解? 実際にかかる費用とは

永代供養は「管理費不要」と説明されることが多いですが、必ずしもすべての施設に当てはまるわけではありません。実際には、年間数千円~2万円程度の管理費(護持費)が設定されているケースもあります。これを滞納すると、最悪の場合は墓が撤去されるリスクもあります。
 
さらに、年忌法要や、お盆・お彼岸の特別供養を希望すれば追加費用がかかります。墓所の改修工事や維持のために思わぬ出費を求められることもあります。契約前に「管理費の有無」と、「管理費以外にかかる費用」を必ず確認しておくことが重要です。
 

なぜ「永代供養」に期限や管理費があるのか?

「永代(えいたい)」とは本来「長い年月」を意味し、菩提寺(ぼだいじ=先祖代々の寺院)が檀家(だんか=寺に属して供養を依頼する家)に代わり、半永久的に供養を続ける形でした。
 
一方、現代の永代供養は、檀家でなくても利用でき、宗派や宗旨を問わない代わりに、ほとんどが「期限付き」です。これは、永遠に維持するための土地や管理の費用負担を、利用者一人ひとりの家族に求めない仕組みになっているからです。
 

契約前に必ず確認したいポイント

永代供養は「永遠に個別で供養される」と思い込むと、後でギャップに悩む可能性が高い制度です。契約前に、「供養の期間」「合祀されるタイミング」「追加費用の有無」をしっかり確認することが安心につながります。
 
また、家族と話し合い、自分が希望する供養の形を共有しておくことも大切です。費用や期間だけでなく、精神的に納得できる選択することが、後悔を避けるための最大のポイントです。
 

出典

株式会社はせがわ 令和のお墓事情2024「お墓に関する実態調査」(PR TIMES)
 
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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