今どきPCに「Word・Excel」は必要ですか? 最近は無料で「スプレッドシート」などが利用できるけど、2万円かけるメリットはあるのでしょうか?
筆者自身もGoogleのツールを使う機会が多く、WordやExcelは年に数回使うかどうかという使用頻度で、Googleのツールがあれば十分なのではないかと感じている1人です。
これらの無料ツールで十分に業務がこなせるのであれば、WordやExcelのためにMicrosoft 365に年間2万円以上も課金する価値はあるのでしょうか。本記事では、Microsoft 365とGoogleの無料ツールを比較し、双方のメリット・デメリットについて解説します。
ファイナンシャルプランナー2級
Microsoft 365の価格と機能
Microsoft 365のプランには個人向けのPersonalと家族向けのFamilyの2つがあります。Personalは一人で利用できるプランで、月額約2130円、年間契約にすると約2万1300円(いずれも税込)です。
Familyは最大6人まで利用可能で、月額約2740円、年間契約で約2万7400円(いずれも税込)となります。これらのプランでは、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどのアプリケーションが使用でき、さらにプランに応じて1~6TBのクラウドストレージや高度なセキュリティ機能も含まれています。
Googleの無料ツールの特徴
Googleのドキュメントやスプレッドシートは、Googleアカウントを作れば誰でも無料で利用できるサービスです。自宅でも外出先でもインターネット環境があれば、どこからでもアクセスして作業をすることができるだけでなく、複数人で同時に編集したりコメントを付けたりできるため、チームでの共同作業をおこなうのにとても便利なツールなのです。
ドキュメントではwordのように文書作成をしたり、スプレッドシートではExcelのような表計算や簡単なグラフ作成をしたりなど、日常的な業務であれば問題なく使用することができます。
選び方のポイントは?
Microsoft 365の強みは大量のデータの取り扱いや高度な計算機能です。またオフラインでの作業をすることができるので、セキュリティやプライバシーを重視する業務にも適しているといえるでしょう。これに対して、Googleの無料ツールは、チームでの共同作業を多く行う場合に向いています。
また、インターネット環境が整っていて常にオンラインで作業できる場合や、コストを抑えたい場合にも便利です。ただし、オンライン環境でしか作業ができないため、セキュリティ面ではMicrosoft 365にやや劣ります。
機能の面でいえば、GoogleドキュメントはWordに似ていますが、基本的な文書作成が中心で、細かいレイアウト調整やページ番号の処理には向いていません。公式文書やビジネス文書の作成にはWordのほうが、フォーマットの整った文章に仕上げられるでしょう。
GoogleスプレッドシートはExcelのように表計算やグラフの作成機能があるので、シンプルなデータ管理であれば十分対応することができます。
一方、Excelはこれらの機能に加え複雑な数式を組み合わせて高度な計算をしたり、膨大なデータを高速で処理したりすることができます。そのため、経理や財務、研究など数値を精密に扱う業務や、大量のデータを扱う場合はExcelのほうが適しているといえるでしょう。
つまり、基本的な操作であればGoogleの無料ツールで十分ですが、複雑な作業であればMicrosoft 365のほうが向いているといえます。
用途に合わせて最適なツールの選択を
Microsoft 365は、契約料は高額ではありますが、それに見合う機能が充実しているので、業務上高度な機能やセキュリティが必要であれば、高額な契約料を投資しても費用対効果があるといえるでしょう。
一方、Googleの無料ツールは、日常的な文書作成やデータ整理、チームでの共同作業に適しており、コストを抑えたい人に向いています。どちらも便利な機能をもった優秀なツールではありますが、自身の業務や作業内容の複雑さに合わせて、最適なツールを選ぶようにしましょう。
出典
Microsoft 365 Personal / Familyの価格と機能
Microsoft 365の価格改定について
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級
