子どもと行ったカフェで「おひとり様ワンオーダーです」と言われた! まだ小さいので「紙パックジュース」を持参したのですが、本当に注文は必要でしょうか? 店側が“ワンオーダー制”を導入する理由とは

配信日: 2025.10.16
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子どもと行ったカフェで「おひとり様ワンオーダーです」と言われた! まだ小さいので「紙パックジュース」を持参したのですが、本当に注文は必要でしょうか? 店側が“ワンオーダー制”を導入する理由とは
小さな子どもとカフェに行き、子どもには自宅から持参した紙パックジュースを飲ませたところ、「おひとり様ワンオーダーです」と注文を求められた。そんな経験をしたことがある人もいるかもしれません。これは法律で決められた義務ではなく、店舗が独自に定めた「利用条件」に基づくルールです。
 
本記事では、ワンオーダー制の法的な位置づけや、店舗・利用者それぞれの立場、そしてトラブルを避けるための対応策を解説します。
諸岡拓也

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

「おひとり様ワンオーダー」は法律? それともお店のルール?

カフェや飲食店で見かける「おひとり様ワンオーダー」は、法律で決められた義務ではありません。お店が営業上の判断で設けた独自のルールです。利用者は、入店時にこのルールを了承することで、店側とのあいだに「利用契約」が成立します。つまり、店が示した条件を受け入れて席を利用する以上、そのルールに従うことになります。
 

ワンドリンク制を決められるのは「契約自由の原則」

基本的に、お店と利用者の関係は、商品と代金をやり取りする「売買契約」です。契約には「契約自由の原則」という考え方があり、どんな条件で取引するかは店が自由に決められます。
 
そのため、カフェが「ワンドリンク制」や「おひとり様ワンオーダー」を設けることは、法律上問題ありません。同時に、利用者には同意しない場合はカフェの利用を控える自由があるため、無理に注文する必要はなく、退店すればいいのです。
 
お店のルールを了承して入店した場合は、法的拘束力がなくても、その条件に従う義務が生じます。入店前にルールを確認し、納得できないのであればカフェの利用を控えるのが最も角が立たない対応です。
 

店が「ワンオーダー制」を導入する理由

お店がワンオーダー制を設けるのは、いくつかの経営上の理由があります。長時間滞在する利用者が多いカフェでは、1人分の注文がないまま席が埋まってしまうことがあります。その間はほかの利用者を案内できず、売上の機会を逃してしまう可能性があります。
 
また、飲食店にとってドリンクは、材料費があまりかからず、利益を出しやすい商品です。料理よりも注文数に限りがなく、回転率を上げやすい点も経営上の強みです。こうした事情から、ドリンクの注文を前提とするワンオーダー制は、経営を安定させる合理的な仕組みと言えるでしょう。
 

子連れでトラブルを避けるための対処法

子ども連れで来店する際は、まず入店前に店頭の掲示を確認し、ワンオーダー制の対象に子どもが含まれるかを確かめましょう。表示が曖昧な場合は、スタッフに直接尋ねるのが確実です。
 
また、持参した飲み物や離乳食の持ち込みが可能かも、事前に確認しておくと安心です。店側から突然注文を求められた場合は、感情的にならず「入口で案内がなかった」と冷静に伝えることが大切です。
 
それでも解決しないときは、消費生活センターなどに相談しましょう。その際は、やり取りの記録を整理しておくとスムーズに対応できます。
 

利用者と店舗、双方が気持ちよく利用するために

「ワンオーダー制」は強制ではなく、お店と利用者の合意によって成り立つ契約条件です。入店前にルールを確認し、納得できない場合は、ほかの店を選ぶ、テイクアウトを利用するなど状況に合わせて判断することが大切です。
 
利用者があらかじめ情報を確かめ、選択肢を持って行動すれば、トラブルを避けやすくなります。自分に合ったお店を選ぶことが、気持ちよく食事を楽しむための一番のポイントです。
 
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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