中学3年の子どもが「将来は医学部に行きたい」と言っています。医学部って実際どのくらいお金がかかるのでしょうか?

配信日: 2025.10.18
この記事は約 4 分で読めます。
中学3年の子どもが「将来は医学部に行きたい」と言っています。医学部って実際どのくらいお金がかかるのでしょうか?
「医師になりたい」という夢を持つ中学生の子どもを応援したい一方で、親として気になるのが「医学部にはどのくらいお金がかかるのか」という現実的な問題です。
 
6年間の長い学生生活、そして学費や生活費を合わせると、相当な負担になることもあります。国公立大学と私立大学では費用の差が非常に大きく、進路選びが家計にも大きく影響します。
 
本記事では、最新のデータをもとに医学部進学に必要な費用の実態と、備え方のポイントを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

国公立大学は6年間で約350万円、私立は数千万円も

医学部の学費は、大学の種類によって大きく異なります。国公立大学の場合、文部科学省が定める標準授業料に準じており、6年間の総額は約350万円です。入学金が28万2000円、授業料が年間53万5800円なので、学費負担としては比較的安く抑えられます。
 
一方、私立大学医学部は大学ごとの授業料や施設整備費などに差があり、文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査」によると、医歯系学部 で1年間にかかる費用の総額は482万1704円です。
 
内訳として入学料が286万3713円、授業料が286万3713円、施設設備費が88万566円なので、6年間で約2500万円に達します。最高価格帯の大学では6年間で4000万円に迫ることもあり、家庭の負担は国公立の10倍以上になることもあります。
 
この学費の差は、進路選択において重要な判断材料になります。子どもが私立志望の場合は、学費だけでなく受験費用や入学後の生活費も含めて資金計画を立てることが欠かせません。
 

学費以外にもかかるお金は多い

医学部では、学費以外の費用も無視できません。実習に必要な器具や教材、白衣、聴診器、専門書などは年間数万~十数万円ほどかかることがあります。また、臨床実習や国家試験対策の模試や講座代、交通費なども追加の負担となります。
 
さらに、地方から都市部の大学に進学する場合は、一人暮らしの生活費が大きな負担になります。家賃、光熱費、食費、通信費などを合わせると、月に10万円前後となり、6年間で700万円を超えるケースもあります。国公立大学でも、自宅から通えない場合は学費も含めて総額1000万円規模になることもあるのです。
 
こうした見えにくい出費は、学年が上がるほど増えていく傾向があります。そのため、初年度の納入金だけでなく、在学中の費用全体を把握し、長期的な資金計画を立てることが重要です。
 

奨学金や支援制度を上手に活用しよう

高額な学費に備える手段として、奨学金や授業料減免制度の活用も検討したいところです。大学独自の奨学金制度には、成績優秀者や経済的困窮世帯を対象とした授業料減免や返済免除付き奨学金などがあります。
 
また、日本学生支援機構の奨学金や、将来的に指定された地域の医療機関で勤務することを条件とした地域枠奨学金などもあります。
 
これらの制度を利用することで、初期費用の負担を大幅に抑えられる場合がありますが、制度によって条件や返済義務の有無が異なります。特に地域医療系の奨学金では、卒業後に指定された地域で勤務する義務が課されることが多いため、利用前に詳細条件を確認しておくことが不可欠です。
 
奨学金や減免制度の募集時期は早い段階で開始されることが多いため、進学を検討し始めた時点で情報収集を始めることが望ましいです。
 

家計全体で長期的な資金計画を立てよう

医学部進学は、教育費のなかでも突出して高額です。進学時点だけでなく、入学から卒業までの6年間を見据えた計画的な資金準備が必要です。
 
例えば、自宅から通学できる大学を選ぶことで、生活費を抑えられる場合もあります。また、進学前から積み立てや学資保険などを利用して教育費を確保する方法も有効です。
 
奨学金を利用する場合でも、返済計画を含めて卒業後にどのくらいの負担が残るかを見積もることが重要です。奨学金は返済の必要な借金であるため、将来の収入見込みやライフプランに合わせて慎重に計画しましょう。
 
子どもの夢を支えるには、感情的な判断だけでなく現実的な数字に基づく判断力も必要です。これにより、安心して進学の準備を進めることができるでしょう。
 

費用の全体像を早めに把握して準備しよう

文部科学省によると、医学部進学にかかる1年間の費用は、国公立で約350万円、私立では約2500万円です。さらに、教材費や生活費を含めると総額はさらに大きくなり、家計への影響は想像以上です。
 
このような高額費用を見据え、早い段階から費用の全体像を把握し、奨学金や各種支援制度の情報を収集することが大切です。家計の見直しや長期的な資金設計を行い、無理のない範囲で子どもの希望を応援できるよう、計画的に準備を進めていきましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問