憧れの「タワーマンション」の代償に、生涯“バカ高い税金”を払うことに!?「絶景の監獄」から逃げられない“維持費地獄”とは?
しかし、その裏には知られざる“維持費地獄”が潜んでいます。毎月の管理費や修繕積立金は、中低層マンションの倍以上になることも。投資としても割に合わないことが多く、空室リスクも高いのが現実です。
今回は、憧れのタワーマンションに潜む“落とし穴”について、購入前にぜひ知っておくべきポイントを詳しく解説します。
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目次
タワーマンションの「憧れ」と現実のギャップ
私は、不動産相談に訪れる中国の方々から「タワーマンションを買いたい」という希望をよく聞きます。
しかし、その背後には多くの落とし穴が潜んでいます。タワーマンションとは、一般的に30階以上の超高層住宅を指し、東京ではホテル並みのロビー、コンシェルジュ、ジム、プールなどの豪華共用施設が「標準装備」されているケースも多いです。
こうした「特別な生活」への憧れが購入意欲を駆り立てますが、実際には経済合理性と大きな隔たりがある場合も目立ちます。
東京の希少性が生む「高級」イメージのカラクリ
東京では鉄道網の発達により郊外からの通勤が容易なため、都心に超高層住宅はさほど多くあるわけではなく、20階以下の中層マンションが主流です。
それゆえの希少性と、低層建築が密集する東京ならではの「圧倒的眺望・日照」が、タワーマンションの「特別な高級住宅」というブランドを形成しています。しかし、そのイメージが現実のコスト構造を見えにくくしているのです。
階層プレミアムのわな:同じ物件で価格差50%の衝撃
最大の特徴である高層階には。深刻な価格のひずみが発生します。眺望やステータス価値が加わるため、低層階との価格差が非常に大きいのです。
東京23区では、50階建て以上のマンションで、9階以下の部屋と50階以上の部屋では、平均坪単価で約75万円もの差があるとのデータもあります。同じ広さの物件が階によって数千万円も異なる現実は、投資判断を大きく狂わせる要因となります。このプレミアム分は将来的に維持できる保証はありません。
知られざる維持コストの重圧:月6万円超の固定費地獄
タワーマンション最大の落とし穴は、「維持コストの暴走」です。豪華共用施設の管理・人件費に加え、超高層特有の設備維持費(エレベーター複数基のメンテナンス、特殊足場が必要な外壁工事等)が重くのしかかります。
管理費だけで月3万円超、修繕積立金も見直し後に3万円近くとなるケースが多いとされ、資産価値とは無関係に生涯支払い続ける「固定負債」の側面を持ちます。
投資とステータスの幻想:高値づかみリスクの真実
「値上がりした」「高級感がある」という表面的な魅力とは裏腹に、投資面では深刻な問題があります。
・賃貸採算性の悪化:高額な固定費に対し、賃料相場は中低層高級マンションと大差なく、収支が赤字化するケースが多い
・空室リスクの増大:高級イメージによる家賃設定が賃借人の裾野を狭め、需要が不安定
・バトンタッチリスク:過去5年で値上がりした物件は、現在が相場のピークである可能性が高く、高値づかみの末に将来の維持費負担を背負う危険性
「絶景をSNSに投稿できる特別感」という情緒的価値は否定しません。
しかし、その代償として月10万円超の生涯コスト(※80平方メートルクラスでは管理費+修繕費+固定資産税で月12万円超もめずらしくない)を払い続ける覚悟が必要です。
情報なき購入は、単なる「バカ高い税金」で終わる可能性も高いのです。
出典
国土交通省 令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)管理組合向け調査の結果
国土交通省 令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査
株式会社不動産経済研究所 首都圏マンション 戸当たり価格と専有面積の中央値の推移 2025年上半期
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
