「退職金2000万円」が振り込まれたら、銀行から連絡が! 営業だと思っていたら、実は重大な“リスク説明”の場合も? 連絡が来るケースを確認
しかし、その電話には単なる営業ではなく、資産保全の観点から重要な注意喚起を伴うケースもあります。本記事では、銀行が高額振込後に電話をかける理由や預金に対する制度などについて解説します。
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銀行が電話をかける主な理由とは
銀行が顧客に電話をかける理由は、大きく分けて次のようなものがあります。
・資産運用や金融商品の提案
大口預金を持つ顧客に対し、銀行側として投資信託や保険、外貨預金などの提案をする目的で電話がかかることがあります。
・口座異常や不正利用の確認
普段と異なる大きな入金や振込があった場合、不正アクセスや送金ミスの可能性を疑って確認するために連絡することがあります。
・預金保険制度の注意喚起
預金額が大きいと、万一金融機関が破綻した際に、保護される上限を超えるリスクがあります。銀行は、顧客にその旨を通知するために連絡することがあります。
営業以外にも、不正利用の確認や注意喚起などについての連絡もあるため、無視し続けることで思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
1000万円を超えると電話がかかってくることもある?
銀行が特に慎重に確認を行うのは、1000万円を超える高額の入金があったときです。マネーロンダリング(資金洗浄)防止や、テロ資金供与防止などの対応の一環でもあります。
このように、普段とは異なる大きな金額の動きがあると、本人確認や入金の経緯を確認するために電話をかけることがあります。
また、退職金や保険金のようにまとまった金額が入った場合、預金保険制度の説明を行う目的で連絡が入るケースもあります。次の章で詳しく説明します。
預金保険制度について
預金保険制度とは、万一金融機関が破綻した際に、一定額の預金等を保護するための保険制度です。1金融機関あたり元本1000万円とその利息までが保護されます。
つまり、1つの銀行に2000万円を預けている場合、もしその銀行が破綻しても、保護されるのは1000万円と利息分までとなります。
そのため、銀行は顧客に対して、「資産を分散しておくほうが安全」という旨を伝えることがあるのです。「営業電話」と思ってしまいがちな連絡の中には、こうしたリスク回避のための説明も含まれていることを知っておきましょう。
銀行から重要な電話があることも意識しておこう
銀行から着信があると、「営業か」と構えてしまうかもしれませんが、中には本当に見過ごせない連絡もあります。特に高額の振込や預金が発生した直後には、注意しておきましょう。
1000万円というラインは目安として銀行が注意を向けやすい金額ですが、2000万円ではなおさら慎重な対応が求められます。
預金保険制度の仕組みを理解し、1000万円を超える部分については常にリスクを念頭におきましょう。銀行からの電話で曖昧なことを言われたら、すぐ信じるのではなく、発信元の確認やリスク説明の明瞭さ、第三者相談の活用も意識することが大切です。
出典
金融庁 預金保険制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
