子どもに「友だちとNetflixのアカウント共有していい?」と聞かれた! うちが“月額を払ってる”のによその子にまで見せるのべきですか? 規約もあわせ確認
自分が月額料金を払っているのに、他人の家庭で使われるのはどこか不公平にも感じるのではないでしょうか。とはいえ「少しくらいいいじゃん」と言われると返答に困るのかもしれません。
そもそも、こうしたアカウント共有は、規約や法律の面で問題ないのでしょうか。本記事では、その線引きと考え方を解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
Netflix利用規約では「同一世帯以外との共有は禁止」
Netflix(以下、Netflix)の利用規約には、「Netflixサービスおよび当該サービスを通じてアクセスされるコンテンツは、お客様の個人的な非商業的用途に限るものとし、ご利用のサブスクリプションプランで許可されていない限り、お客様のご世帯以外の方と共有することはできません」と明記されています。
また、アカウントのパスワードを他人に伝えることも推奨されておらず、利用停止の対象になる場合があります。つまり、家庭で契約しているNetflixを「友だちと共有していい?」と子どもに聞かれた場合、それを実行すれば「規約違反」となります。
親としては、「規約で禁止されているからダメ」と明確に伝えるのが正解です。善意で共有させても、契約上は違反になることをはっきり説明しましょう。
法律の上でもグレーゾーン
他人が契約者の許可を超えて利用した場合、「不正アクセス禁止法」の観点から問題になることもあります。動画コンテンツを第三者に見せる行為が繰り返されれば、非商業的用途でも、無断利用とみなされる可能性があります。
つまり、法律的に明確な罰則がないからといって、自由に共有していいわけではないということです。ルールを破る行為は、最終的に契約者である親の責任になります。子どもには「法律ではグレーでも、契約上はNGなのだ」と説明し、法律とモラルとの両面から線引きを教えることが大切です。
どこまでOK? 共有できる家族の範囲を整理
友人との共有はNGでも「家族なら誰でもOK」と思いがちですが、Netflixでは、同一世帯(同じ住居で生活する人)のみが共有対象です。たとえ親族でも、別居していればアカウント共有は原則NGです。共有の可否は次のとおりです。
・同じ住所で暮らす親族(夫婦、子ども、同居の祖父母など)
・同一ネットワーク内の利用者
・同居していない親族
・友人、恋人、同僚など同居していない第三者
近年は、IPアドレスやログイン履歴で利用場所を特定する仕組みも導入されています。つまり、「少しだけ貸す」という感覚は、もう通用しない時代になっています。
親としてどう伝えるかが大切
アカウント共有の問題は、単にお金や法律の話ではなく、子どもの価値観を育てるきっかけにもなります。「うちはうち、よそはよそ」という考え方を通じて、家庭のルールやモラルを明確に伝えることが大切です。
どうしても友だちと一緒に見たい場合は、「それぞれのアカウントによる同時視聴」や「同時刻・同じ場所でのオフライン上映会」など、合法的な方法を提案してみましょう。
最後に、大切なのは、親がルールを守る姿勢を見せることです。それこそが、子どもにとって最良の教育であり、家族で安心して動画視聴を楽しむための第1歩です。
出典
Netflix合同会社 Netflix利用規約
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
