「生活保護を受けるには車を手放さなければいけない」と聞きました。でも私の地方では、買い物も車がないと難しいです。車の保有が認められたケースはありますか?

配信日: 2025.10.21
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「生活保護を受けるには車を手放さなければいけない」と聞きました。でも私の地方では、買い物も車がないと難しいです。車の保有が認められたケースはありますか?
生活保護を申請するとき、「車を手放さなければならない」と言われることがあります。
 
しかし地方では、買い物や通院、通勤などに車が欠かせない人も多く、実際の生活と制度の間にギャップを感じる方もいるでしょう。実は、車の保有は一律に禁止されているわけではなく、生活の維持や自立に必要と判断される場合には例外的に認められるケースもあります。
 
そこで本記事では、生活保護と車の関係について、原則と例外を整理しながら解説します。
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車は資産として処分が求められるのが原則

生活保護制度は、資産や能力を活用してもなお生活が困難な人を支援する仕組みです。そのため、車や不動産、預貯金などは「資産」とみなされ、売却して生活費に充てられると判断される場合は保有が認められません。つまり、車は生活保護を受ける前に処分を求められるのが原則です。
 
ただし、生活保護の目的は「最低限度の生活の保障」と「自立の助長」です。この理念に基づいて、車が生活や就労を維持するために必要不可欠と認められる場合には、例外が設けられています。
 

生活維持や自立支援に必要と判断される場合

生活保護は原則として車の保有は認められませんが、生活や就労のためにどうしても必要と判断される場合には例外があります。実際に、生活を維持したり自立を支えたりする手段として、車の使用が認められる可能性もあります。
 
車の保有が認められる主なケースは、以下のとおりです。
 

・通勤や通学に車が欠かせない場合(公共交通機関が乏しい地域など)
・通院や介護に使用している場合(定期的な通院や家族の送迎など)
・障がい者や高齢者の生活を支える場合(福祉車両や送迎用の軽自動車など)
・仕事の道具として利用している場合(自営業や配送業など、車が生計手段となる)

 
これらはいずれも、「その車があることで生活を立て直せる」または「健康や安全を守るために必要」と判断されたときに限られます。最終的な判断は福祉事務所が行いますが、自治体によって基準が異なることがあります。
 

車の保有が認められる場合にも条件や制限がある

生活保護で車の保有が認められた場合でも、自由に使えるわけではありません。生活保護制度の運用では、車の保有が認められる場合にも次のような制限が設けられることがあります。
 

・使用目的を就労や通院など必要最小限に限定する
・高級車や資産価値の高い車は対象外とする
・維持費(ガソリン代、保険料、自動車税、車検費用など)を生活保護費でまかなわない

 
つまり、生活保護のもとで車を利用できるのは、最低限度の生活を支えるために必要な範囲での利用に限られるということになります。
 

判断は地域によって異なるため相談を

車の保有を認めるかどうかは、地域の事情によって大きく異なります。公共交通機関が豊富な都市部では通勤目的の車保有は認められにくい一方、交通手段が乏しい地方では容認されることがあります。
 
生活保護の申請時に車を所有している場合は、福祉事務所が車の必要性を審査し、認められない場合はいったん売却を求められることもありますが、状況によっては後に就労や通院のための再取得が許可されるケースもあります。
 
判断に迷うときは、早めにケースワーカーへ相談し、生活状況や通勤・通院手段を具体的に説明することが重要です。生活実態をきちんと伝えることで、柔軟な判断を得られる可能性があります。
 

生活維持のために車の保有が本当に必要かを説明しよう

生活保護を受ける際、車の保有は原則として認められません。しかし、通勤や通院など生活の維持や自立に必要と判断される場合には、例外的に認められることがあります。
 
大切なのは、「車がなければ生活が成り立たない」という具体的な理由を明確にし、客観的に説明することです。診断書や交通手段の証明など、必要な証拠を準備し、担当ケースワーカーに理解してもらうことが重要です。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
厚生労働省 生活保護を申請したい方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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