ジョブカードってなに? これを推奨するわけ
配信日: 2017.10.04 更新日: 2019.01.08
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
履歴書とジョブカードの形式上の違い
ジョブカードは厚生労働省のホームページから簡単にダウンロードして作成することができますが、様式は大きくキャリア・プランシート、職務経歴シート、職業能力証明シートの3つに分かれています。
1つ目のキャリア・プランシートは就労経験がある人とない人(新卒など)に分かれており、それぞれについて「これから自分のどんな強みを活かしてどんな職業に就いていきたいか」というゴール設定を明確にします。
2番目の職務経歴シートというのはまさに職務経歴書でどんな仕事をこれまでやってきたかの棚卸になります。
3つ目の職業能力証明シートには免許や資格、職業訓練で学んだことの証明などを記載・あるいは記載してもらいます。
このような3部構成となっていますが、すべてを完成させるのには履歴書に比べてかなり時間を要します。キャリア・プランシートでは基本的に空欄がないように自分の考えをまとめてたっぷり記載しますが、なかなか空欄を埋めることができない場合キャリアコンサルタントの支援を受けます。
履歴書ではなくジョブカードを作成する意義
そんなに手間と時間をかけてまでジョブかカードを作成する意義はなんでしょうか。自分自身の今までの生き方や働き方を通じて、自分の適性や強みを客観的に文字であらわすのは意外と難しいものです。
特に職務経歴シートで自分史を振り返ると、「自分の将来のキャリアプランは実はこの時の経験から生まれたものだ」と改めて気づくこともあります。自分を振り返り、見つめ直し、自分という「商品」の強さ・弱さをまとめるにはそれなりの時間がかかるものです。
そういった課程を経て自分のキャリアゴールを見定めて職探しをし、履歴書を作成し(ジョブカードを完成させれば、志望動機以外はすべてできあがっているのでここでの書類作成には時間はかかりません)、面接に臨んだ場合、ミスマッチによる早期離職という可能性は極めて低くなるのです。ジョブカードの意義はここにあります。