いつも行っていたスーパーで“QRコード決済”ができなくなっていた…! お店にとってもメリットのある決済方法ではないんですか? なぜ取りやめる店があるんでしょうか?

配信日: 2025.10.22
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いつも行っていたスーパーで“QRコード決済”ができなくなっていた…! お店にとってもメリットのある決済方法ではないんですか? なぜ取りやめる店があるんでしょうか?
いつも行っていたスーパーで、「あれ? いつものスマホ決済が使えない……」と戸惑った経験はありませんか。QRコード決済は“お店にもお客さんにもメリットがあるはず”と認識している人もいるかもしれませんが、近年「取りやめた」「使えなくなった」という店舗も出始めています。
 
ではなぜ、便利で普及してきた決済サービスが突然使えなくなるのでしょうか。
 
この記事では、まずQRコード決済の店舗側メリットを整理し、次に「なぜ取りやめるか」の裏側を探り、日常の小売店・スーパーで起こりやすい事情と、消費者として押さえておきたいポイントまでを分かりやすく解説します。お買い物の際に「なぜこの支払い方法がないのか?」と疑問に思ったとき、納得の手がかりになるはずです。
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まず知っておきたい、QRコード決済が店舗にもたらすメリット

QRコード決済とは、スマートフォンでQRコードを読み取ったり、スマホの画面を店側が読み取ったりして支払う仕組みのことです。
 
店舗にとっては、クレジットカード決済などに比べて導入コストが低く、QRコードを掲示するだけで始められる方式もあります。また、現金を扱う手間が減るため、釣り銭の準備やレジ締め作業などの負担も軽くなります。
 
さらに、顧客にとっても「スマホひとつで支払える」「ポイントが貯まる」といった利便性があり、店舗側は来店促進にもつながると考えられています。
 
サービスによっては、キャンペーンやクーポン配布機能、利用履歴の分析などが可能で、販売促進や顧客管理にも活用できるケースがあります。こうした点から、QRコード決済は多くの中小店舗でも導入が進んでおり、販売促進手段のひとつとして定着しつつあります。
 

でも、なぜ“使えなくなった”・“取りやめる”という選択肢があるのか?

ところが、実際にはQRコード決済をやめたり、導入しなかったりする店舗も見受けられます。その背景にあるのは、まず決済手数料の存在です。
 
多くのQRコード決済では、売上の1~3%ほどを事業者に支払う必要があります。利益率が低いスーパーや日用品店などにとって、この負担は小さくありません。キャンペーンで無料期間が設けられていても、期間が終われば経費として残るため、収益を圧迫する要因になります。
 
また、導入しても利用者が少ないと「費用の割に効果がない」と感じられがちです。QRコード決済を使うお客さんが少なければ、集客や売上アップといった成果が実感できません。
 
加えて、入金までのサイクルや振込手数料、端末の管理といった運用面の負担もあります。通信障害や端末の不具合が起きれば、レジが止まるリスクもあるため、「確実に動く現金やカードで十分」と考える店舗もあります。
 
さらに、日本では複数のQRコード決済サービスが乱立しており、それぞれ契約や掲示物が異なるため、運用が複雑になりやすいという課題もあります。
 
特に高齢者が多い地域の店舗では「現金で払いたい」という人が多く、導入の意義を見いだしにくい場合もあります。こうした事情が重なり、一部の店舗ではQRコード決済サービスの利用を終了する、または継続を見送るケースが出ていると考えられます。
 

日常店舗(スーパーや小売店)で起こりやすい事情と、消費者として知っておくべきこと

スーパーなどでは、商品の利益率が低く、わずかな手数料でも経営に響くため、QRコード決済の維持が難しくなることがあります。さらに、レジの回転を速くすることが重要な現場では、スマホの操作や読み取りに時間がかかると混雑の原因になってしまいます。そのため、効率を優先して現金やクレジットカードに戻す店舗もあるのです。
 
また、かつては無料で導入できたサービスも、キャンペーン終了後に有料化されるケースがあります。結果的に「コストの割に利用者が少ない」と判断し、撤退する店舗が出てきています。地域や客層の変化も無視できません。高齢層が多い地域ではQRコード決済の利用が進まず、店舗にとって続ける意味が薄くなるのです。
 
消費者としては、支払い手段を1つに絞らず、現金やクレジットカードなど、他の決済方法も使えるようにしておくと安心です。店舗ごとに対応ブランドが違う場合もあるため、レジで確認しておくとトラブルを防げます。使えなくなった場合も、店舗の掲示やホームページに理由が書かれていることがありますので、一度確認してみるのがおすすめです。
 

まとめ:店舗側・消費者側、それぞれの対策とこれからの決済スタイル

QRコード決済は、導入コストが比較的低く、顧客満足度も高められる便利な決済方法とされています。しかし、手数料や運用負担、利用率の低さなど、店舗側の現実的な課題も少なくありません。特にスーパーのような日常店舗では、利益率やレジ効率、客層などの事情から導入を続けにくい場合があります。
 
一方、消費者側にとっては「使えないことがある」前提で支払い手段を複数持っておくことが安心につながります。今後もキャッシュレス化は進むと見られますが、店舗と利用者の双方が無理のない形で選択し、便利でスムーズな買い物環境をつくることが大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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