金沢旅行で「北陸新幹線」に乗りますが、夫が普通席ではなく“グランクラス”を希望…「1万8000円」も高いので反対なのですが、料金に見合う価値があるんですか?
北陸新幹線を含むJR東日本の新幹線で導入されている「グランクラス」は、東京~金沢では普通席より約1万8000円高い特別席ですが、夫婦で意見が分かれたとき、果たしてこの差額に見合う価値はあるのでしょうか。
本記事では、グランクラスの料金差にどんな価値があるのかを、サービス内容や快適さ、そして家計のバランスという観点から検証します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
グランクラスとは? 上質な空間とおもてなしの車内サービス
グランクラスは、JR東日本が誇る新幹線の最上級座席です。北陸新幹線では、通常の指定席やグリーン車よりも広い座席配置で、全18席のみという特別な空間になっています。リクライニングは最大45度、フットレストや読書灯も完備されており、飛行機のビジネスクラスに近い快適さを、地上で味わえると評判です。
専任のアテンダントによる車内サービス
対象の列車については車内では専任のアテンダントによる接客があり、軽食と飲み物のサービスが含まれます。軽食は地域食材を使ったこだわりのメニューで、季節によって内容が変わるのが特徴です。ドリンクもアルコール・ソフトドリンクを自由に選べ、紙コップではなくグラスで提供される点にも高級感があります。
なお、一部の列車は「飲料・軽食なし」で運行中です。アテンダントは乗車せず、軽食と飲み物の提供もありません。しかし、「飲料・軽食あり」の列車よりも割安でグランクラスの旅が楽しめます。
普通席との料金差はどのくらい?
2025年現在、東京~金沢におけるグランクラスと普通指定席との差額は1万7990円で、往復で利用すれば3万5000円超の追加負担になります。これは、金沢で宿泊日数を1泊追加できる金額にも相当します。旅行全体の予算を考えたときに、この差額を「移動の快適さに使うか」「宿泊や食事の質に使うか」は家計の優先順位の問題です。
グランクラスの「価値」は時間と目的で変わる
東京~金沢の所要時間は「かがやき」で約2時間30分です。この時間で、どこまでグランクラスのサービスを活用できるかがポイントになるでしょう。これが例えば東京~仙台間(約1時間30分)では、軽食をゆっくり楽しむ時間が少ないという声もありますが、金沢までならゆったりとした時間を満喫できそうです。
また、グランクラスの魅力は「静けさ」と「人との距離感」です。混雑する指定席やグリーン車とは異なり、隣席との間に余裕があるため、会話や移動のストレスが軽減されます。また、中高年の旅行では「目的地に着いた時点での疲れ具合」が満足度を左右することも多いため、体への負担を軽減できる点もグランクラスの価値の1つです。
1分あたり120円の快適さに価値を見いだせるか
グランクラスは、飛行機のプレミアムクラスと比べても、静粛性と座り心地は引けを取らないとされています。金銭的な価値を時間あたりで換算してみると、差額1万7990円÷約150分=約120円です。「1分あたり120円の快適さ」に納得できるかどうかが、判断の分かれ目となります。
夫婦で「お金をかける体験」をどう選ぶ?
グランクラスは確かに高額です。しかし、単なる移動費ではなく、「旅の一部」として時間を価値に変えるサービスと考えると納得感が生まれます。
もし夫婦で意見が分かれるなら、行きはグランクラスで非日常を楽しみつつ体力を温存し、帰りは普通席で節約するなどの折衷案もおすすめです。また、「飲料・軽食なし」の列車を選んで費用を抑え、車内では駅弁を楽しむといった過ごし方もあります。
旅行の満足度は「どこへ行くか」だけでなく、「どんな気持ちで過ごすか」で決まります。節約もぜいたくも、目的が明確であれば正解です。「支出=体験」と捉え、家計全体のバランスの中で判断することが、賢い選択と言えるでしょう。
節約もぜいたくも納得できる旅が賢い選択
北陸新幹線のグランクラスは高額ですが、その料金には「移動時間を上質な体験に変える」価値が含まれています。2時間30分の道中を静かに、快適に過ごしたい人には十分な満足度が得られるでしょう。一方、節約を重視するなら、同じ費用を宿泊や現地での食事に振り向けるのも合理的な考え方と言えます。
夫婦で価値観を共有し、納得して選ぶことが何より大切です。
出典
JR東日本 Gran Class
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
