小学生の娘から「友達はみんな2個以上習い事をしている」と聞いてビックリ! 年収400万円のわが家では習い事1つで限界なんですが、みんなもっと稼いでるということでしょうか…?
でも実際のデータを見てみると、2つ以上が当たり前というわけではないようです。本記事では、小学生の習い事事情について解説します。
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小学生は本当に2つ以上習い事をしているのか? アンケート結果で確認
アクサダイレクト生命保険株式会社が2022年2月に実施した「第8回子どものおけいこ事に関する調査」によると、0~9歳の子どもに習い事をさせている母親の割合は約56%に上るという結果が出ています。子ども1人あたりの習い事の数は平均で1.53でした。
同調査では、コロナ禍による休校などの増加で学力低下や運動不足を補う目的から、習い事を増やす家庭もあることが示されています。子どもの要望以外にも、必要性を感じて始めるケースも多いようです。
この調査の結果を踏まえると、「2つ以上が当然」とは限らず、1つに絞る家庭も一定数あると考えられます。
年収400万円台で習い事は現実的?
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立小学校の学習費総額は1人あたり年33万6265円で、この中には学校外活動費(=習い事・塾など)も含まれます。
同調査では、学校外活動費が小学校で学習費の中核を占める傾向が示されています。
例えば、月7000円~1万円規模の1つの習い事でも、発表会費・道具・交通費が積み上がると年間10万円を超えることは珍しくありません。家計全体の中で「教育費」と「生活費」のバランスをみると、年収400万円台の家庭の場合、習い事1つで精一杯という感覚は十分に現実的です。
地域差や世帯構成などによって使える可処分所得は変わるため、同じ年収でも教育費に回せる額は家庭ごとに差が出ます。つまり「みんなが習い事を2つ3つできる=みんなが高収入」とは限らず、支出の優先順位や祖父母支援の有無などでも結果は変わります。
習い事の選び方のコツ
前述のアクサダイレクト生命保険株式会社の調査によると、人気の習い事は水泳教室で、「今後子どもにさせてみたい習い事」でも水泳教室がトップとなっています。
習い事を1つに絞る場合は、学校教育と重なるスキル(水泳教室・英会話・パソコンなど)を選ぶと、授業の中で成果を実感しやすくなります。また、英会話や通信教育といったオンラインの習い事なら送迎の必要がなく、負担が少なくなるでしょう。
費用対効果の高い習い事のひとつに、そろばん教室があります。費用が比較的安く、慣れてくると実物のそろばんを使わずに、頭の中でそろばんを思い浮かべることで3~4桁の暗算もできるようになるといわれています。このスキルは、大人になってからも有益なものとなるでしょう。
まとめ
「みんな2個以上の習い事をしている」という子どもの話に戸惑うこともあるでしょう。ただ、今回参照したアンケート調査によれば、習い事をしている子どもは多数派でも、複数が当たり前とは言い切れません。
1つに絞るなら、目的を明確にし、年額コストを見える化することが大切です。送迎や発表会の頻度まで含めて無理なく続けられる設計にできれば、習い事1つでも子どもの成長はしっかり実感できるでしょう。
出典
アクサダイレクト生命保険株式会社 「第8回子どものおけいこ事に関する調査」結果
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 1 学習費総額(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
