“5000円”の年会費を節約するため「町内会」を辞めたというママ友。「ごみ捨て場が使えなくなる」という話も聞きますが、都内の自治会加入率は「50%にも満たない」って本当!?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「町内会費(自治会費)」は“年間1001円~1万円”が最多
インターネット広告・メディア運営事業を手がける株式会社インタースペースが行った「町内会費(自治会)に支払う金額」に関するアンケートによると、表1のように、最も多いのは1001円〜1万円で全体の55.6パーセントを占めています。
つまり、掲題の5000円は平均的な金額といえるでしょう。
表1
| 年会費 | 割合 |
|---|---|
| 0~1,000円 | 31.6% |
| 1,001円~10,000円 | 55.6% |
| 10,000円~20,000円 | 9.4% |
| 20,000円~ | 3.4% |
出典:株式会社インタースペース「町内会費(自治会)に支払う金額」を基に筆者作成
概ね年間1万円以下の世帯からは、満足しているという声が多く、少数ですが2万円以上支払っている世帯からは「地域の清掃くらいしか集まらないのに高すぎる」「借家か持ち家かで金額が違う」といった不満の声も聞こえます。
「町内会を辞めるとごみ捨て場が使えなくなる」という話は本当?
そもそも町内会や自治会は、地域生活をより良くすることを目的として、町や集落単位で有志の住民たちによって組織されている任意団体です。活動に必要な費用は、会員である住民から会費として徴収されるケースもあります。
町内会や自治会が行う主な活動内容としては、以下のものが挙げられます。
・ゴミ集積場の管理
・お祭りなどの地域行事や子ども会の運営
・防災訓練や防災街灯の管理
・広報誌の発行
町内会(自治会)は任意団体であるため、運営も参加も自由であり、定められたルールに法的な拘束力はありません。したがって、法律上は、町内会を退会したからといって、ゴミ捨て場が使用できなくなるということはないと考えられます。
ただし、町内会費は、ゴミ捨て場を維持するための清掃用具の購入や、集積場の管理といった環境維持活動に使われていることは心に留めておく必要があるでしょう。地域住民との関係性も踏まえて、町内会の退会は慎重に判断したほうが良いかもしれません。
都内の自治会加入率は「50%にも満たない」
東京都生活文化スポーツ局の「町会・自治会活動に関する調査結果【概要版】」によると、町会・自治会に加入している都民の割合は、表2のように全体で41.4パーセントでした。
表2
| 年齢 | 割合 |
|---|---|
| 20代 | 18.2% |
| 30代 | 24.4% |
| 40代 | 36.5% |
| 50代 | 46.5% |
| 60代 | 59.5% |
| 70代 | 75.3% |
| 平均 | 41.4% |
出典:東京都生活文化スポーツ局「町会・自治会活動に関する調査(概要)」を基に筆者作成
掲題にもあるように、都内の自治会加入率が50パーセントにも満たないのは事実のようです。なお、加入しない理由の上位には以下の項目が挙げられています。
表3
| 町会・自治会へ加入しない理由 | 割合 |
|---|---|
| 付き合いが面倒なため | 30.5% |
| 加入しなくても困らないため | 29.5% |
| 町内会・自治会があるのがわからないため | 25.6% |
| 加入するメリットがないため | 25.6% |
出典:東京都 生活文化スポーツ局「町会・自治会活動に関する調査(概要)」を基に筆者作成
このように、若い世代を中心に町内会・自治会活動にメリットを見出せない方もいるようです。
まとめ
町内会(自治会)の会費は年間1000円から1万円以内が最も多く、概ね満足している方が多く見られました。一方、東京都民の自治会加入率は50パーセントに満たないようです。
町内会は任意団体であり、法律上、退会してもゴミ捨て場が使えなくなることは考え難いといえます。しかし、会費はゴミ集積場の管理や地域の防災活動など、共同の利益となる活動の原資です。町内会を辞める際は、費用負担と地域貢献のバランスや、地域住民との関係性を考慮することをおすすめします。
出典
株式会社インタースペース 「町内会費(自治体)に支払う金額」に関するアンケート
東京都 生活文化スポーツ局 町会・自治会活動に関する調査(概要)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
