フリマで「株主優待券」を購入したら、会計時に“偽物と発覚”しショック! 知らずに使っても犯罪? ニセモノの見分け方とは
本記事では、偽造券の見分け方やはじかれた際の対処法、そして、安全に入手するための購入方法を紹介します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
偽造券を使った場合の法的リスク
偽造と知りながら優待券やギフトカードを使うと、偽造有価証券行使等罪などに問われるおそれがあります。一方、偽物と知らずに使った場合は、基本的に罪に問われることはありません。
つまり、違法性の有無は「知っていたかどうか」で大きく変わります。
フリマで優待券を扱うときに知っておきたい法的・規約上の注意点
一般的に、現金や商品券などの金券類は、運営会社の規約で禁止または制限されている場合があります。
一方、株主優待券の転売自体は、法律で明確に禁止されているわけではありません。個人が自身の不要分を売る行為は問題ありませんが、他人から買い取って繰り返し販売する場合は、古物営業法の許可が必要になることがあります。
購入前に必ず確認したい3つのポイント
偽造券を避けるには、購入前のチェックが欠かせません。特に次の3点を意識すると、被害を防げる確率が上がります。
1. 価格の妥当性
最初に確認すべきは、価格の妥当性です。市場価格より極端に安い出品は、高確率でリスクを含んでいると考えられます。また、相場より安く販売しても利益が出る仕組みを考えれば、裏に不正がある可能性が高いと分かります。
2. 出品者の信頼度
次に確認すべきは、出品者の評価と取引履歴です。評価が極端に少ない、同じ文言のコメントが多い、過去に返品トラブルがある場合は注意が必要です。また、短期間で大量出品しているアカウントや、金券・ギフトカードだけを扱っている出品者にも注意が必要です。
3. 券面・デザインの一致
最後に、券面の商品画像を拡大し、公式サイト掲載画像と比較します。異なる点がある場合は要注意です。ただし、偽造技術は年々精巧化しており、専門家でも見抜けないケースがあります。完全に見分けるのは難しいため、少しでも違和感を覚えた時点で購入を控える判断が賢明です。
会計ではじかれた瞬間に取るべき対応
レジで「使用できません」と告げられた場合は、まず深呼吸をして落ち着きましょう。バーコードの読み取り不良や磁気不具合の可能性もあるため、別端末での再読み取りを依頼します。
それでも利用できない場合は、一度その優待券の使用を中止し、ほかの方法で支払いを済ませるのが現実的です。その際、レシートや対応した担当者名は記録として残しておきます。
会計後は、できるだけ早急にフリマ出品ページのURL、出品者名、購入履歴、やり取りのスクリーンショットを保存しておきます。
その後、発行元企業やフリマ運営に「真偽を確認したい」と問い合わせます。感情的にやり取りするとトラブルが長引くため、「証拠を残す・記録を整える」ことを優先しましょう。
被害に気づいた直後の対応
出品者が偽造に関与している場合、返金に応じない可能性があります。まずはフリマ運営に「偽造券トラブル」として報告します。
次に、券面の写真・出品ページ・購入履歴・店での記録などをまとめて保存します。これらは警察や消費生活センターに相談する場合の重要な証拠になります。
再発防止に向けてできることは
フリマやオークションでの金券購入は、見た目では本物かどうか判断が難しく、法的・規約的にも自己責任の取引になります。これまで紹介したように、出品者の信頼性や券面の確認を徹底しても、リスクを完全にゼロにはできません。
被害を防ぐ最も確実な方法は、公式販売ルートを利用することです。安さよりも安全を優先する意識を持つことで、トラブルや無駄な出費を未然に防げます。安く買うより確実に使えることに価値があると割り切ることが、最大の再発防止策です。
執筆者 : 諸岡拓也
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
